経営層の4割弱は、日本の労働生産性に“危機感”

日本の労働生産性が国際的に低迷している現状について、経営層では「かなり危機感がある」との回答が37.7%に上っていることが、日本生産性本部が実施した「生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」で明らかとなった。

日本の労働生産性が国際的に低迷している現状に対する危機感を聞くと、「かなり危機
がある」との回答は、非管理職は25.3%、経営層は37.7%で、役職が上がるにつれて多くなっている。

経営層のうちトップマネジメント(会長、社長など)では「かなり危機感がある」が4割を超えるが、前年度調査と比較すると5.1ポイント減り、「わからない」が7.8ポイント増えている。

「わからない」は、経営層→管理職→非管理職と、役職が下がるにつれて割合が高くなっている。

【日本の労働生産性に対して“かなり危機感がある”割合】
経営層  37.7%
管理職  31.8%
非管理職 25.3%

「危機感がある・計」は製造業が73.2%と多い。一方、生産性向上が大きな課題とされているサービス産業では製造業と比較してやや低く、特に非対人サービス業では63.6%にとどまっている。

【日本の労働生産性に対して“かなり危機感がある”割合】
製造  35.4%(危機感がある・計 73.2%)
対人サービス  29.1%(同 65.9%)
非対人サービス 29.9%(同 63.6%)

人手不足の影響を聞くと、「従来採用できていたレベルの人材が採用できていない」が全役職・全産業共通で3割を超え最も多い。一方、「大きな影響は出ていない」も管理職・非管理職と全産業共通で2割以上だった。

「そもそも採用できていない」は対人サービスで18.3%と、製造業の13.4%と比べて差がある。

【人手不足の影響 “従来採用できていたレベルの人材が採用できていない”割合】
経営層  38.2%
管理職  38.0%
非管理職 33.1%

製造   40.1%
対人サービス  35.9%
非対人サービス 32.8%

デジタル技術の進化に伴う影響を聞くと、経営層では「今までと同じ人員でより多くの業務をこなせるようになった」が25.3%と最も多い。「人手不足解消に貢献している」との回答も役職が上がるにつれ、多くなっている。

「特にない」は、管理職・非管理職で最も多く、生産性本部では「経営層→管理職→非管理職と、役職が下がるほど影響を計りかねている」と指摘する。

【デジタル技術の進化に伴う影響】
●“人手不足解消に貢献している”の割合
経営層  19.7%
管理職  15.6%
非管理職 14.9%

●“今までと同じ人員でより多くの業務をこなせるようになった”の割合
経営層  25.3%
管理職  17.4%
非管理職 14.4%

●“特にない”の割合
経営層  21.5%
管理職  27.8%
非管理職 36.6%

調査は、2023年8月、従業員規模300人以上の組織に勤める従業者を対象にWebアンケートで実施した。経営層はトップマネジメント(会長・社長など)、経営幹部(取締役・執行役員など)604人、管理職(部長・課長など)は1099人、非管理職(係長・主任など)は1101人。

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