人間関係のストレス、ブラック企業からの逃避で転職

人間関係のストレスやブラック企業からの逃避を理由に転職している人が多く、目標発見やキャリアアップなどの前向きな意志で転職している人は少ないことが、企業風土改革コンサルティングのスコラ・コンサルトが全国の社員100人以上の企業に勤める一般社員・管理職を対象に実施した調査で明らかになった。(文:日本人材ニュース編集部

日本人材ニュース

転職経験者に自身の転職をタイプ分類してもらったところ、最も多いのは「人間関係ストレス型転職」12.8%、「ブラック逃避型転職」12.1%が多い。

本人の前向きな意志による転職は、「目標発見型転職」6.8%、「キャリアアップ型転職」3.4%など少ない。

転職のタイプとして最も考えに近いものを選択

転職のタイプ分類割合
人間関係ストレス型:上司や同僚・部下との関係悪化、職場の雰囲気などにストレスを感じたことによる転職12.8%
ブラック逃避型:長時間労働やパワハラなど、ひどい労働環境があり、そこから抜け出すための転職12.1%
組織に失望型:会社や職場の問題がなかなか改善されず、失望したことによる転職9.6%
ライフステージ変化型:結婚・出産・介護・転居など、私生活の変化による転職9.0%
なんとなく型:なんとなくこの会社ではない、転職したら状況が良くなると漠然と思った8.9%
燃え尽き型:仕事のプレッシャーや責任に疲弊し、心身の限界を迎えたことによる転職7.3%
環境不適応型:価値観や組織風土、働き方が自分に合わなかったことが原因の転職7.2%
目標発見型転職:新たにやりたいことや夢が見つかり、それに向けて進むための転職6.8%
評価不満型転職:自分の成果・能力が正当に評価されていないと感じたことによる転職6.5%
配属ガチャリセット型転職:希望の職種・業務・勤務地に配属されず、モチベーションが下がったことによる転職4.1%
ぬるま湯脱出型転職:求められる仕事の水準が低すぎて成長できない不安があり、より成長できる環境を求めた転職4.0%
キャリアアップ型転職:職位や年齢が自分より上の人が多く、キャリアアップや昇進の機会が限られており、キャリアアップや昇進の機会を求めた転職3.4%
ビジョンと実態の乖離型転職:組織が掲げているビジョンと実態とが乖離していることが分かり失望したことによる転職2.4%
同僚ものたりない型転職:同僚が目指す目標や遂行する仕事の水準が物足りないと思うことによる転職0.8%

転職理由として重要な内容(5つまで回答)は、「給与・賞与・福利厚生に不満があった」(40.5%)が最多で、「会社の体質や企業風土に不満があった」(31.9%)、「上司に不満があった」(28.0%)、「経営や将来性に不信・不安を感じた」(22.9%)、「残業や休日出勤が多かった、代休・有給休暇など休みがとりづらかった」(22.5%)が続いた。

給与・賞与・福利厚生、会社の体質や企業風土、上司への不満に関して、転職を決意した決め手(自由回答)

給与・賞与・福利厚生・経営が悪化してボーナスが極端に減らされた(20代)
・10年勤めた社員より新卒の方が基本給が高かった(30代)
・給与面や昇給制度、福利厚生が他社と比べて充実しておらず大変不満があった(30代)
会社の体質や企業風土・給料が一切上がらない、不正を強要させられたり、転職予定の人には残業代が支払われないが残業をさせられるなどの労基違反のようなことが多く起こった(30代)
・将来を見据えた効率の良くなる提案をしたが、このままでいいと受け入れてもらえなかった(40代)
・ミスをすると周りの社員から総攻めにあう。晒し者にされる(40代)
・目の前で同僚を攻めるような言葉の暴力があった(50代)
・女性は腰かけ、お嫁さん要員としか扱われなかった。昇進の道も全く無かった(50代)
上司・上司からの差別発言(20代)
・フィードバックが曖昧、リーダーたちで言っていることや考えていることが違う(20代)
・上司のパワハラがひどく、長時間拘束されて叱られたりした(30代)
・部下が正しいことを言っているのに上司がねじ伏せていた(40代)
・上司に殴られた(40代)
・上司の気分に左右される。理不尽な指示がきて、それに向けて準備していたら先走るなと怒られる(40代)
・上司のパワハラ。今時暴言を吐く職場があることに驚いた(40代)
・取引先と揉めたとき、上司は守ってくれず、すべて責任を押し付けた(50代)
・上司の度重なる理不尽な態度に強い嫌悪感を抱いたから(50代)
・上司に毎日怒鳴られ、良好なコミュニケーションをとってはくれなかった(50代)
・自身の過重労働の原因をトップダウンの組織運営(経営者の独断)ではなく、個人の能力とされた(50代)

調査を実施したスコラ・コンサルトは、「転職理由で明らかになったのは、給与や昇進という見えやすいハード的要因のほかに、企業風土(社員を大切にする、意見を採り入れる、問題改善力など)や上司への不満、働き方(業務量とプレッシャー)といったソフト的要因も上位に挙がるということです」と解説している。

転職や働くことに関する意識についてアンケート調査の詳細はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000073818.html

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