
グリーンタレントハブ
井口 和宏 代表取締役
【PROFILE】慶應義塾大学総合政策学部卒。アイアンドシー・クルーズ(じげんに売却)にて、人材紹介事業にプレイングマネジャーとして約4年間従事。その後、電力・ガス領域の新規事業立ち上げをマネジャーとして推進。2018年創業に参画したシェアリングエネルギーでは、事業開発室長・エバンジャリストとして、エネルギーテック領域の新規事業開発、広報/PR、マーケティング業務をリード。シリーズBラウンドを通じて、累計80億円超の資金調達に貢献。数少ない成長産業の1つである脱炭素領域で、圧倒的に人材が足りていないことに当事者として課題意識と可能性を感じ、当社創業。
脱炭素分野の中途採用市場は、政府が掲げる150兆円規模のGX投資に伴い、採用意欲が旺盛な状況です。直近では、米国に端を発する脱・脱炭素の潮流により一部で採用凍結が見られ、また電気自動車や水素・アンモニア関連の外資系企業では日本市場からの撤退・縮小も生じていますが、総じて脱炭素関連の求人は急拡大しています。
再エネ発電事業者や小売電気事業者、脱炭素領域のコンサル事業者では、太陽光発電のオフサイトPPAや系統用蓄電池に関する事業開発、プロジェクトマネジャー、電気施工管理、顧客の脱炭素対応に向けたソリューション営業やコンサルといったポジションで採用ニーズが活況です。
また、VCの投資意欲が高いことを背景に、気候変動の課題解決を目指すクライメートテックやディープテックのスタートアップも採用が旺盛です。特にディープテックでは事業開発の幹部候補の採用ニーズが高まっており、年収レンジは1000~1500万+SOを提示するケースが多く見られます。
立ち上がったばかりの領域のため、企業の採用ニーズに対して業界経験者である即戦力人材は非常に不足しています。採用企業からは、転職媒体を見ても候補者の母数が少なく、また面接設定や内定受諾に苦戦しているという声が聞かれます。
採用を成功させるポイントとして、まずは採用ターゲットを幅広く設定することを推奨します。必須要件と歓迎要件の見直し、年収や年齢の幅の再検討、また優秀な海外人材の活用も選択肢に入れる企業も増えてきました。
業界経験者が少ないため、未経験者向けに社内でのオンボーディング支援体制の整備も重要です。業務委託のプロ人材を活用する事例も増えており、一つの選択肢として検討に値します。
加えて、転職顕在層だけでなく、転職潜在層との接点を持ち続けるタレントプールを作る取り組みが重要です。各種SNSでの情報発信、カジュアルな採用イベント、コミュニティでの関係構築など、中長期的な候補者との関係づくりが採用成功の鍵となります。




