アイティーケー
渡辺 正人 人材紹介部第1統括部マネージャー
外食産業の採用市場は現在、2020年の東京オリンピックに向けての出店数の増加に伴い、採用需要も増加傾向にあります。その反面、飲食業界での就業希望者の減少で人手不足という深刻な問題も顕著になってきています。
かつての飲食業界のイメージは長時間労働や休みが少ないなどのネガティブなイメージが溢れていました。そのため働きたいという人も減少していきました。しかし、現在では多くの企業がそのイメージを払拭するために様々な取り組みを始めています。
例えば、週休2日制の導入や残業なしシフト、福利厚生の充実、独立支援制度などの人材の定着を図るための努力をしています。
多くの企業で人材採用が急務となっており、即戦力で活躍することができる経験者の採用はもちろんのこと、長期的視野での人材育成という観点から未経験の採用も増えています。実際に採用に成功しても現場で活躍できるように教育をして、定着をさせていかなければ意味がありません。
外食産業においてもう一つ特筆すべきポイントはIT化です。様々なシステムの導入より、業務内容の効率化によって専門的技能を求めない企業も増えてきています。
そのためスマートフォンやタブレット端末の操作に強い若い世代は、システムにも抵抗なく受け入れることができる素養があるため、未経験であっても需要が高まっていることに結びついていきます。
企業としては若い社員をしっかりと定着させるため、また中堅以上の専門的スキルを持った社員を離職させないために政府が取り組んでいる「ワークライフバランス」「女性が働きやすい職場」といった点にも積極的に取り組むようになっています。
今後の外食産業の採用における課題は、間違いなく上記に挙げた「働きやすい職場」という点が最重要になってくると予測されます。現在は求職者が売り手市場で企業を選ぶ立場になっている分、競合他社との人材獲得競争は特別感を生み出すことができる企業に優位に推移していくと言えます。