キャリアアンカー

キャリアアンカーとはアメリカの心理学者、エドガー・H・シャインが提唱したもので、生涯に渡るキャリアの軸を「船の錨」を意味する「アンカー」にたとえた理論として知られます。個人が人生設計を立てるうえで参考にすることもあれば、企業が人材育成のために用いることもできます。キャリア形成は30歳前後に確立するといわれており、就職活動をする学生がキャリアアンカーをキャリアプランの参考にすることも可能です。

キャリアアンカー理論は3要素「動機(どんな仕事がしたいのか)」、「コアコンピタンス(何が得意なのか)」、「価値観(何に価値を感じるか)」によるタイプが形成されると生涯において重要な意志決定に影響し続けるというもので、ほとんどの人は8種類のカテゴリーのどれかに当てはまるとされます。

厚生労働省委託事業による『在宅ワーク実践テキスト キャリア・デザイン編「私らしいキャリアの育て方」』では、将来設計やキャリア・ビジョンを明確にするうえで「キャリアアンカー」をもとに考えると効果的だとしています。

8種類のカテゴリーの概略は「1.管理能力:組織の中で責任ある役割を担うことを望むこと」、「2.技術的・機械的能力:自分の専門性や技術が高まることを強く望むこと」、「3.安全性:安定的に1つの組織に属し勤め上げることを望むこと」、「4.創造性:クリエイティブに新しいことを生み出すことを望むこと」、「5.自律と独立:自分で独立することを望むこと」、「6.社会貢献:才能や有能な分野よりも価値観によって方向づけられている」、「7.全体的な調和:個人、家族、仕事のバランス」、「8.チャレンジ:不可能と思えるような障害を克服すること」というものです(『在宅ワーク実践テキスト キャリア・デザイン編「私らしいキャリアの育て方」』より)。

企業においては採用活動でキャリアアンカーを使えば応募者のカテゴリーを知ることにより、求める人材とのミスマッチ対策になります。ほかにも新人研修や中堅社員の人材育成、人事異動などにつなげることができます。また厚生労働省が様式を定めた「生涯を通じたキャリア・プランニング」などに役立つツールをキャリア支援に導入する企業や学校が増えています(『マイジョブ・カード』より)。

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