懲戒免職

懲戒免職(ちょうかいめんしょく)とは、公務員(国家公務員及び地方公務員)に対する懲罰のひとつで、強制解雇することを指します。懲戒免職は国家公務員法や地方公務員法で規定されており、懲戒処分の中で最も重い処分です。(懲戒処分は軽い順に「戒告」「減給」「停職」「免職」と定められています)なお、懲戒免職を一般企業に置き換えると「懲戒解雇」となります。

懲戒免職は通常、公務執行に重大な支障をきたす事象を起こした公務員に対して発令されます。人事院が公表している「懲戒処分の指針について」によると、「悪質なセクハラ、パワハラ」「正当な理由なく21日以上の間勤務を欠く」「犯罪行為」「飲酒運転」などが懲戒免職の対象となる行為です。

懲戒免職された場合は即時免職となり、退職金は基本的に支給されません。また、不誠実な行動によって免職されるため、再就職時にも不利になります。

なお、公務員として必要な適格性を欠く場合に実施される免職は「分限免職(ぶんげんめんしょく)」と言います。分限免職の理由としては「心身の故障」「勤務成績不良」などが挙げられ、懲戒免職と異なり退職金が満額支給されることが特徴です。(2009年に社会保険庁が日本年金機構に移行した際、500名以上が分限免職され話題になりました)

また、公務員に対して退職を促すことは「諭旨免職(ゆしめんしょく)」といいます。諭旨免職は依願退職とも呼ばれ、意味合いは懲戒に近いものの、履歴書上は懲戒ではなく自己都合による退職になることが特徴です。多くの場合は停職以下の懲戒処分がくだされたうえで、自己都合退職が促され、諭旨免職されます。

諭旨免職はあくまでも自己都合退職のため、退職金は支給されます。(公務員の不祥事で「停職〇ヶ月の処分となり、同日付で依願退職した」と報道される場合が、諭旨免職です)ただし、免職と表現されながら退職金が支払われることに対して批判的な声もあるため、現在では諭旨免職という表現が使われることは多くありません。

懲戒免職は公務員が受ける処分の中で最も重い懲罰のため、転職活動にも大きな影響を与えます。また、公務員の再就職を受け入れる企業側も、履歴書に懲戒処分が記されていないかは必ず確認しましょう。

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