マミートラックとは、女性が子育てと仕事の両立をしていくなかで、昇進、または昇給などの機会を逃してしまうキャリアコースのことを指します。
子育てをしながら働く女性に対しては、育児や家庭のための時間を確保しなければなりません。子供の急な発熱や保育園の送り迎えにも対応できるように、柔軟な勤務時間を取り入れる、短時間勤務を導入するなどして、働きやすい環境を整える必要があります。
しかし、こうした環境を実現するためには、本人にしかできないような専門的な業務を任せるわけにはいかず、総合職に近い内容を担当してもらうしかありません。マミートラックの問題となっている点はこの部分にあります。
マミートラックは、働きやすい環境を整えるための施策である一方で、専門的な業務を担当できないため、昇進や昇給が難しくなったり、キャリアアップの速度が遅くなったり、出世コースから外れたりする場合があります。さらに、マミートラックが職場でのジェンダーステレオタイプを強化する恐れもあります。女性が子育てを優先し、仕事を二の次に扱うというイメージが定着することで、女性がリーダーシップを発揮する機会が減ることも懸念されています。
マミートラックは子育て中の女性にとって働きやすい環境である一方で、キャリアを諦めなければならないため、マミートラックを選択する場合は、自分のキャリアや将来の目標をしっかりと見極めることが大切です。短期的な育児と仕事の両立だけでなく、長期的なキャリアプランも考慮しましょう。また、企業の制度や働く環境が整っているかどうかもチェックすることが重要です。復職支援や研修、メンター制度などのような制度が整っているかを事前に調べておくことが必要です。
子育てと仕事の両立は、パートナーとの協力が大切です。パートナーとのコミュニケーションや協力体制を築くことで、マミートラックを選択した場合でもより円滑に働けるでしょう。 企業としては、復職支援やキャリアアップのサポートも充実させ、子育てをしながら働く女性であっても、キャリアを諦めること無く働けるような環境の構築をすることが必要といえるでしょう。子育て中の従業員を雇用している企業は、マミートラック制度の改善や働きやすい環境づくりに努めていかなければなりません。