裁量労働制

裁量労働制とは、労働時間制度のひとつです。近年では働き方改革の一環として注目されており、みなし労働制と呼ばれることもあります。裁量労働制の最大の特徴は、従業員の労働時間を、実際に働いた時間ではなく、あらかじめ定めたみなし労働時間分働いたとみなす点です。9時から17時まで勤務しなければならない、といった労働時間の制限が適用されないため、労働者は成果さえ上げれば自由に働ける制度となっています。

裁量労働制のメリットは、勤務時間が労働者の裁量で自由にコントロールできる点です。たとえば、あらかじめ定められたみなし労働時間が8時間だと仮定した場合、仕事が5時間で終わったとしても、8時間ぶんの給料が支給されます。

また、勤務時間は労働者の裁量次第であるため、好きな時間に休憩を取ることもできます。自分のタイミングでリフレッシュすることで作業効率をあげること、集中するために休憩は一切取らずに働き続けるといったことも労働者次第です。人それぞれのタイミングで裁量を持って働けるため、一般的な働き方と比べるとかなり自由度が高いといえます。

一方で裁量労働制には、デメリットも存在します。裁量労働制では、早く仕事が終わった場合でも所定労働時間ぶんの稼働をしたとみなされますが、逆に考えるとみなし労働時間が8時間だった場合は10時間働いても8時間分の給料しか支払われません。

つまり、基本的に残業代が支給されないため、長時間働くほど損をすることになります。効率的に働けば得をすることでもあるため、効率よく働いてしっかりと成果をだせるかどうかが重要です。

ただし、裁量労働制でも、深夜労働や休日労働、法定労働時間を超える場合は残業代が支給されるため、企業の担当者はこの点に留意が必要です。 裁量労働制には、専門業務型裁量労働制と、企業業務型裁量労働制があります。専門業務型裁量労働制は、研究職やクリエイター、デザイナーなどの仕事や弁護士などの士業、企業業務型裁量労働制は企業の経営部門で経営計画を策定し、人事労務部門で調査分析業務をしているなどの業種にのみ適用されます。このように特定の仕事をしている人にのみ適用されるため、すべての業種に適用されるわけではないことも覚えておきましょう。

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