コンコードエグゼクティブグループ
渡辺 秀和 代表取締役社長 CEO
【PROFILE】一橋大学卒。三和総合研究所 戦略コンサルティング部門を経て、2008年コンコードエグゼクティブグループ設立、代表取締役社長CEO。戦略コンサルタント、投資銀行・ファンド、外資系エグゼクティブ、起業家等へ1000人超のビジネスリーダーの転身を支援。第1回「日本ヘッドハンター大賞」コンサルティング部門MVP。東京大学×コンコード「未来をつくるキャリアの授業(2017)」コースディレクター。著書『ビジネスエリートへのキャリア戦略』『未来をつくるキャリアの授業』『新版コンサル業界大研究』。コンコードアカデミー代表取締役会長。
2013年以降、戦略系、シンクタンク系、総合系、IT系、FAS系、組織人事系など様々な領域のコンサルティング会社の事業が好調です。それに伴い、業界全体でまれに見る積極的な採用が行なわれています。15年に入っても今まで以上に大規模な採用が行なわれており、当面この状況は続くと予想されます。
そのため、業界内では、し烈な人材獲得競争が行なわれています。パートナークラスや即戦力の経験者(ポストコンサル)はもちろんのこと、未経験者も積極的に採用されています。また、投資銀行、PEファンド、ネット系企業、グローバル企業も積極採用をしているため、競争は業界をまたいで激化しています。
一方、コンサルティング業界でのキャリアは、経営者人材への登竜門となる「ハブキャリア」として広く知られるようになってきたため、業界の人気は高く、引き続き優秀な転職志望者が多数います。ただし、ネット系企業など前述の業界も有力なハブキャリアとなるため、転職先を並行して検討する候補者が多い点に注意が必要です。
売り手市場である現在において、内定者へ提示するポジションや年収が競合他社と比べて魅力的であることは、採用成功の必須条件です。社内バランスに縛られた魅力の少ない人事体系では、優秀な人材を採用できないばかりか、社内の人材が競合他社へ流出する危険性があります。
また、採用枠を広げる工夫も大切です。例えば、コンサルタント未経験者の採用は、30代半ばまでとする企業が多かったのですが、高い専門性や豊富な経営経験を持つ40代を未経験で採用するケースも見受けられます。
昨今は、培った問題解決能力を社会貢献に活かしたいと考えるポストコンサルが増えています。先端的で社会的意義のある仕事を用意できると、採用上のアドバンテージとなります。
最後に、自社の魅力を候補者へアピールすることも忘れてはなりません。記事掲載やキャリアセミナーを無料で協力してくれる人材紹介会社も多いので、積極的に活用するのが良いでしょう。