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高橋 浩一 代表取締役
「ビジネスパーソンが仕事をしている時間のうち約4割の時間は、人に動いてもらうためのコミュニケーションに充てられている」と、有名なビジネス作家であるダニエル・ピンク氏は書いています。
例えば、部下が上司に動いてもらうために何かしらの企画や提案をする、ということもあれば、上司が部下に対して業務遂行できるように指導する、といった場面もあるでしょう。
また、部署同士の交渉や協力依頼といったところでも、どうやって気持ちよく動いてもらうのか、ということは重要な問題です。
このように人に動いてもらいたいと思う場面において、多くの人が取りがちなアプローチはどのようなものでしょうか。
それは、やってほしいことやお願いを、相手に対して提案や説得の形で伝えるということです。
もちろん、これ自体は間違いではありませんが、人間の心理というのは一方的に人から押し付けられるということに関しては、いかにそれが正しい内容であろうとも、すっきりと受け入れられないという傾向があります。
そこで本書では、気持ちよく人に動いてもらえるようなコミュニケーションというのは、正しさをぶつけ合うようなコミュニケーションではなく、お互いに二人三脚でより良い未来を作っていくための対話であると定義しました。
よりよい未来を作っていくための対話をしていくにあたっては、 相手が話すことに耳を傾けたり、 複雑な情報を整理したりするということが伴ってきます。
また、このやりとりを通して、より良い方向へアクションしてもらえるためには、一定のスキルを磨くことが必要になってきます。
本書では、気持ちよく人に動いてもらうために必要な7つの力を「 想定する力」「段取りする力」「理解を深める力」「見える化する力」「思い込みを外す力」「軸を動かす力」「巻き込む力」として定義し、 7つのスキルのそれぞれが発揮された良い場面や、悪い場面を、具体的な会話例を用いて解説しています。
一人でも多くの、人に動いてもらうことに心を砕いているビジネスパーソンの方々のお役に立てればと思います。
高橋浩一 著
クロスメディア・パブリッシング
1,580円+税