2022年卒の選考基準を2021年卒に比べて厳しくした大手企業が2割を超えたことが、リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)の「就職白書2022」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
2022年卒の採用基準を2021年卒に比べて「厳しくした」企業は19.5%。「2021年並み」は74.2%、「緩くした」は2.6%。
採用基準を厳しくした企業の従業員規模は「300人未満」16.3%、「300~999人」16.1%、「1000~4999人」26.9%、「5000人以上」23.2%だった。
2023年卒の採用基準は「2022年卒並み」80.0%、「厳しくなる」8.9%、「緩くなる」2.5%。採用予定数は2022年卒の平均28.5人から2.2人増えて30.7人。
2022年卒の採用活動で「採用予定数を充足できた」企業は55.2%で、2021年卒に比べ3.8ポイント減少した。
【新卒採用の採用数の計画に対する充足状況(2021年12月時点)】
計画よりかなり多い 1.4%
計画より若干多い 13.0%
計画通り 37.8%
計画より若干少ない 32.6%
計画よりかなり少ない 11.6%
現在選考中につき未定 2.2%
採用数について計画を立てていない 0.7%
その他 0.7%
※「充足できた」は「計画よりかなり多い」、「計画より若干多い」、「計画通り」の合計
従業員規模別では「300人未満」47.8%、「999~300人」53.1%、「1000~4999人」53.8%、「5000人以上」64.6%。
地域別では「北海道・東北」47.6%、「関東」54.5%、「中部・東海」51.0%、「関西」53.1%、「中国・四国」47.1%、「九州」52.7%。
2021年卒に比べ5ポイント以上減少したのは、従業員規模別の「1000~4999人」(6.9ポイント減)、「300人未満」(6.4ポイント減)、地域別の「中国・四国」(12.8ポイント減)だった。
採用数が計画より少ない理由は「内定辞退が予定より多かった」48.4%、「選考応募者が予定より少なかった」36.2%、「選考辞退が予定より多かった」25.6%、「事業方針等が変更になり、採用人数を減らした」8.0%、「その他」11.4%となった。
2021年卒に比べ「事業方針等が変更になり、採用人数を減らした」(16.4ポイント減)が減少する一方、「内定辞退が予定より多かった」(12.3ポイント増)、「選考辞退が予定より多かった」(9.8ポイント増)が増加した。
採用予定数を100とした場合、「プレエントリー受付人数」は7761、「内定出し人数」は171.2、「内定辞退人数」は75.7、「内定人数」は95.6となった。
2021年卒に比べ「内定出し人数」は14.6増、「内定辞退人数」は19.1増、「内定人数」は1.2減。多くの内定を出したが内定辞退も多かった。
説明会・セミナーの実施はWebが対面を上回った。「個別企業説明会・セミナー」は「Web」82.4%、「対面」56.9%。 「合同企業説明会・セミナー」は「Web」72.0%、「対面」63.4%。
「面接」は「対面」(87.0%)が「Web」(78.4%)を上回ったが、「Web」は2021年卒の69.8%から8.6ポイント増加した。
採用活動のWeb化による成果には「採用活動費用の削減」66.4%、「これまで接点の取れなかった学生層からの応募」66.0%、「応募者の増加」54.0%が多く挙がった。
調査は、2021年12月4日~2022年1月12日、全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の企業を対象に郵送とWebで実施し、1588社の回答を得た。