2021年度下半期の中途採用は「未充足」だった企業が8割超

2021年度下半期の中途採用は「未充足」だった企業が80.8%となっていることが、リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)の実施した「2021年度下半期 中途採用動向調査」で明らかとなった。2022年度通期での中途採用は、4社に1社が「5%以上増やす」としている。

2021年度下半期に中途採用の計画があった企業は90.8%となった。採用計画ありの企業1万669社の中途採用充足状況を見ると、採用充足企業(100%以上)は19.2%だった。採用未充足企業(100%未満)は80.8%、採用充足率が50%に満たない企業は全体の53.4%となった。

業界別に見ると、中途採用充足率が「100%以上」の割合が高い業界は、サービス・アウトソーシング業界(26.2%)、消費財業界・総合商社(23.9%)、外食・店舗型サービス業界(23.9%)などとなった。

一方、中途採用充足率「100%以上」の割合が低い業界は、IT通信業界(13.2%)、公共インフラ・官公庁(15.1%)インターネット業界(17.1%)などだった。

2022年度通期での中途採用計画について、前年度と比較した状況を聞くと、全体の過半数(53.5%)は前年度と同等水準(5%未満の増減)という結果だった。前年度に比べて 5%以上中途採用を増やすと回答した企業は25.1%、一方、中途採用を減らす(減らす+大幅に減らす)と回答した企業は4.0%となった。

【2022年度の中途採用計画】
大幅に増やす(15%以上) 6.6%
増やす(5%以上15%未満) 18.5%
同等           53.5%
減らす(5%以上15%未満) 2.5%
大幅に減らす(15%以上) 1.5%
未定・非開示       17.4%

中途採用計画を増やす理由について、最も選択率が高かったのは「既存事業を拡大するため(71.1%)」だった。次いで、「特定層で人材が不足しているため(41.9%)」、「特定の専門スキルを持つ人材を確保するため(41.1%)」が続いた。

2022年度の中途採用計画を業界別にみると、特に採用意欲が高いと考えられる「大幅に増やす」の割合が高い業界は、インターネット業界(14.0%)、IT通信業界(12.1%)、コンサルティング業界(11.8%)などとなった。

【業界別 2022年度の中途採用計画「大幅に増やす」の割合 トップ10】
インターネット業界  14.0%
IT通信業界     12.1%
コンサルティング業界 11.8%
外食・店舗型サービス業界 8.8%
サービス・アウトソーシング業界 8.8%
金融業界       7.8%
人材・教育業界    6.6%
建設・不動産業界   5.3%
マスコミ・広告業界  5.1%
電気・電子・機械業界 4.7%

2022年度の中途採用を進めるにあたって、中途入社者の賃金・処遇をどのように計画しているかを聞くと、最も選択率が高い項目は「変わらない(52.5%)」だった。(「未定・わからない等」が32.2%と数値が高く出ていることに注意)

「増やす計(1割以上の増加+1割未満の増加)」の割合は全体の15.0%、一方、「1割未満の減少」は0.2%となった。

業界別にみると、「増やす計(1割以上の増加+1割未満の増加)」の割合が高いのは、IT通信業界、コンサルティング業界、インターネット業界などとなり、前述の中途採用計画を増やす業界と同じ顔ぶれとなった。

【業界別 2022年度の入社者の賃金・処遇 の計画「増やす計」の割合 トップ10】
IT通信業界      18.4%
コンサルティング業界 18.2%
インターネット業界  18.0%
建設・不動産業界   16.9%
公共インフラ・公官庁業界 16.1%
電気・電子・機械業界 14.0%
外食・店舗型サービス業界 14.0%
化学業界       13.7%
消費財業界・総合商社 13.5%
医薬・医療・バイオ業界 13.4%

調査は、2022年1月20日~2月10日、転職支援サービス「リクルートエージェントを利用している企業を対象に実施し、1万1749社の回答を集計した。

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