自らアクションを起こすセルフスターターの採用に注力【アクセンチュア】

アクセンチュアは、世界49カ国150都市以上に拠点を持ち、経営コンサルティング、テクノロジー・サービス、アウトソーシング・サービスを提供するグローバル企業である。 アクセンチュアの仕事の進め方とはどんなものなのか、アクセンチュアではどのような人材が求められているのか。人材採用部マネジャーの瀧澤明良氏に聞いた。

アクセンチュア

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瀧澤 明良 人材採用部 マネジャー

コンサルティング、テクノロジー、アウトソーシングで顧客支援

企業変革のために必要なサービスを一社で提供できるのがアクセンチュアの強みだ。経済誌「フォーチュン」が選んだ世界トップ企業500社の3分の2の企業が同社の顧客であり、世界25カ国以上の政府機関にビジネスパートナーとして選ばれている。

ビジネスウィーク誌の「最も価値あるグローバルブランド」においても、毎年100位以内にランクされている。また、主要な顧客100 社のうち、95%以上とは5年、約80%とは10年を超える中長期の契約による関係を築いている。日本では20年に渡って実績を積み重ね、国内の各業界を代表する大手企業の経営革新を支えてきた。

なぜ同社は、日本の代表的な企業からビジネスパートナーとして選ばれるのか。

「企業変革のための根本となる経営・事業戦略の立案、それを実行していくビジネスやITの仕組みづくり、提供したソリューションを運用するアウトソーシングまでを、ワン・グローバル・ネットワークで担っています。こうした『ワンストップ・ソリューション』を実現するために、世界中で蓄積してきた経験や知識、その中で構築してきたビジネスモデル、ツール、システム、リソースなどを最大限に活用し、お客様が付加価値の高いビジネスを実践できるように社員が全力で支援しています」(瀧澤氏)

同社が対応している産業は、「通信・ハイテク」「製造・流通」「素材・エネルギー」「金融サービス」「公共サービス」の5分野で、「経営コンサルティング」「テクノロジー」「アウトソーシング」の3つのサービスを提供している。

求めるのは、企業変革を導く人材

経営コンサルティングは、企業革新の最上流を担い、難易度の高い経営課題に対して最適な解決策を編み出していくことがミッションとなっている。「戦略」「CRM」「SCM」「財務・経営管理」「人材・組織管理」の5つのグループで、あらゆるテーマに応えられる体制を整えている。

業務プロセス・IT コンサルティングは、クライアントのビジネス現場に密着し、最適な業務のあり方を考え、業務改革とそれを確実に実行できる仕組みを、豊富な知識や最先端のIT でシステムを構築している。

システムの開発・構築はグローバルで統一された最先端の開発方法論をベースにグループ会社のアクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズが担当している。 そして、革新と成長の実現を目指すのがアウトソーシングである。戦略立案、業務改革、システム構築などのコンサルテーションで終わるのではなく、そこからシステムを活用して初めて価値の創出を実現する。

システムを運用しながら日々改善し、パフォーマンスを上げていくことが重要であるため、アウトソーシングには力を入れている。同社はこのサービスをグローバルで展開しており、今最も成長している分野である。

では、どのような人材が求められているのだろうか。瀧澤氏はずばり「自らアクションを起こしていく『セルフスターター』と言われる人材」だと指摘する。 「アクティブで自ら行動を起こすタイプの人材が実に多いのが当社の特徴です。個性的な人が多いという人もいますが、企業の変革の方向性を示し、クライアントと共に変革を実行していくのが我々の仕事ということを考えると、そうした資質をもった人には最適な環境ではないかと思います」(瀧澤氏)。

業務を完遂できる人材かどうかを見る

新卒採用は職種別採用を実施しているが一括エントリーとなっている。その後、適性検査、グループ・ディスカッション、セミナー、個人面接というプロセスを経て、内定となる。

エントリー時に提出するエッセイや、適性検査を元に書類選考を実施し、グループ・ディスカッションを通過した候補者が、セミナーに参加する。セミナーでは、希望職種のアンケート調査を実施し、その後の選考職種を決定する。

「面接は2~4 回行います。ロジカルシンキングやコミュニケーション能力といった基本的な素養もみていますが、お客様と一緒になって改革を実施し、プロジェクトをやりとげられるアクセンチュアのスタイル(高いコミットメント)にあっているかという点も見ています」(瀧澤氏)

入社後2カ月間の研修を経たあとは、基本的にはクライアント先に常駐し、業務を遂行する。社員には、同じグループの先輩社員がカウンセラーとして選出され、キャリア相談に乗る「キャリアカウンセリング制度」といったフォロー体制を敷いている。 経験者採用の職種はあらゆる業務に渡っており、即戦力となるスキルを持つ人材を採用する方針をとっている。

「経営及び業務プロセス・IT コンサルタントは、多くの短期的なプロジェクトを通じて成長していきたい方、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズのソフトウェア・エンジニア、システム・アナリストは『ものづくり』志向の方、アウトソーシング・コンサルタントは長期的なプロジェクトを通じてじっくり成長していきたいという方を求めています」(瀧澤氏)。

女性社員の採用にも積極的に取り組む

同社が新卒、経験者を問わず採用活動において力を入れているのが女性の採用だ。グローバルレベルで「ワーキングマザー誌」の働く女性にとって働きやすい会社ベスト100に6年連続で選ばれるなど、女性活用が進んでいる。

日本でも、2006年から「Women’s Initiatives(ウィメンズ・イニシアティブ)」という女性活用の取り組みが本格化している。女性に特化したキャリアセミナーも実施しているという。

プロジェクトによっては女性ならではの視点や発想が重要になるケースが多くある。そのため、女性が活躍するための諸制度やコアタイム無しのフレックス制度などを整備している。また、より女性活用を推進するために、女性社員がアクセンチュアにおいて自身のキャリアをしっかりと築ける環境も整えている。

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