ロバート・ウォルターズ・ジャパン
ジェレミー・サンプソン 代表取締役
【PROFILE】2006年にロバート・ウォルターズへ入社。2018年に代表取締役社長就任。日本の人材業界での15年以上の経験と実績。オーストラリア出身。社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
コロナ禍で一時停滞していた採用活動も回復し、IT分野のグローバル人材獲得競争は依然として加熱しています。デジタル化の加速に伴い、さまざまな産業で人工知能(AI)などの先端技術の取り込みが課題となり、IT技術者の獲得が急務となっています。
中でも基幹システムの構築やコロナ禍で滞っていた経営戦略を動かすグローバルプロジェクトなどが再起動しはじめ、語学力と専門スキルを持ち合わせたグローバル人材の需要はさらに高まっています。
また、サイバーセキュリティーの専門家のように人材需要が高いにもかかわらず、人材の数が元々少ない分野や人材不足が深刻な部門では、日本語を全く話すことのできない外国人でも知識とスキルがあれば雇用するという企業も多くなっているようです。
このような人材獲得競争の激化により、企業は給与額の引き上げだけでなく、働き方改革、オフィス空間の充実などあらゆる対策を講じています。
64%のIT分野のグローバル人材が1年以内の転職を視野に入れていると当社の調査で回答しており、採用動向と相まって転職にも前向きです。
キャリアアップや給与アップのために転職を検討する会社員が多いのは以前とさほど変わりませんが、コロナ禍での生活が約3年になる今、グローバル人材が企業選定で重視するポイントには変化が見られます。
給与額はもちろんのこと、企業へのフィット感や切磋琢磨できる企業文化を求める傾向にあります。特にIT分野のグローバル人材の採用を成功へ導くには、コロナ禍での変化を受け入れ、より柔軟な働き方を尊重することが重要なポイントとなっています。
優秀な人材は引く手あまたなため、採用年齢の幅を広げたり、面接回数を減らすなど、採用の柔軟性とスピードが鍵となります。また、優秀な人材にアピールできるような企業文化や社風をつくることも、採用と離職を防ぐためには重要となるでしょう。