調査・統計

中小企業の6割超で人手不足、建設業では8割弱

「人手が不足している」と回答した中小企業は6割超となっていることが、日本商工会議所と東京商工会議所(ともに東京・千代田、三村明夫会頭)が実施した「人手不足の状況および新卒採用・インターンシップの実施状況に関する調査」で分かった。業種別でみると、「建設業」で最も割合が高く8割弱に及んでいる。

人手

中小企業を対象にした調査によると、「人手が不足している」と回答した企業の割合は64.9%で、前年調査(2021年7~8月)と比べて15.0ポイント、前回調査(2022年2月)と比べて4.2ポイント増加した。過去調査で最高であった2019年調査の66.4%に至らずも、再び人手不足の状況に戻っている。

【「人手が不足している」と回答した企業の割合】
2018年    65.0%
2019年    66.4%
2020年2~3月 60.5%
2020年7~8月 36.4%
2021年2月   44.4%
2021年7~8月 49.9%
2022年2月   60.7%
2022年7~8月 64.9%

業種別でみると、「建設業」(77.6%)、「運輸業」(76.6%)において、「人手が不足している」と回答した企業の割合が高い。

コロナによる深刻な影響を受けた「宿泊・飲食業」においても7割を超える企業が人手不足と回答している。

【業種別 「人手が不足している」と回答した企業の割合】
建設業    77.6%
運輸業    76.6%
介護・看護業 74.5%
宿泊・飲食業 73.9%
情報通信・情報サービス業 71.6%
その他サービス業 66.7%
製造業    58.5%
卸売・小売業 57.4%
金融・保険・不動産業 54.4%
その他    63.4%

人手が「不足している」と回答した企業に対応方法を聞くと、「正社員の採用」と回答した企業の割合が83.8%と最も多く、「有期雇用社員の採用」と比べて35.7ポイント高い。

その他、 「業務プロセスの見直しによる業務効率化」(38.7%)、「社員の能力開発による生産性向上」(32.4%)、「IT化等設備投資による生産性向上」(29.8%)となった。また、これら3つの選択肢のいずれかを回答した企業(=「生産性向上・業務効率化」に取り組む企業)の割合は59.2%となった。

【人手不足への対策として実施・検討している取組(複数回答)】
正社員の採用          83.8%
パートタイマーなど有期雇用社員の採用 48.1%
業務プロセスの見直しによる業務効率化 38.7%
社員の能力開発による生産性向上 32.4%
IT化等設備投資による生産性向上 29.8%
労働時間・残業時間の増加    17.2%
事業規模の縮小、拠点の整理・統合 6.6%
その他             7.1%

求職者に対して魅力ある企業・職場となるための取組は「賃上げの実施、募集賃金の引上げ」と回答した企業が最も多く57.0%、次いで「福利厚生の充実」(45.9%)と、待遇の改善による取組が多い。

「多様で柔軟な時間設定による働き方の推進」(21.0%)、「場所にとらわれない柔軟な働き方の推進」(11.0%)となった。この2つの選択肢のうちいずれかを回答した企業(=「柔軟で多様な働き方」導入に取り組む企業)の割合は26.1%となった。

【求職者に対して魅力ある企業・職場となるための取組(複数回答)】
賃上げの実施、募集賃金の引上げ 57.0%
福利厚生の充実         45.9%
人材育成・研修制度の充実    41.1%
オフィス・工場等、職場の環境整備 35.9%
ワークライフバランスの推進   28.1%
多様で柔軟な時間設定による働き方の推進 21.0%
兼業・副業の許可        12.8%
場所にとらわれない柔軟な働き方の推進 11.0%
その他             3.2%

2021年度の新卒採用の状況について聞いたところ、募集した企業は51.0%。そのうち、「予定人数を採用できた」と回答した企業は45.6%にとどまり、約2割の企業が「募集したが、全く採用できなかった」(19.9%)と回答した。

調査は、2022年7月19日~8月10日、全国47都道府県の中小企業6007社を対象に各地商工会議所職員によって実施し、2880社の回答を得た。

インソース
経営者JP

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