組織・人事

活躍するリーダーを採用・育成できない企業の課題

経営環境の変化でリーダー人材の採用と社内人材の育成を強化する企業が増えている。一方で、「リーダーを採用できない、育成できない」との声も挙がる。今後、何を実践すればリーダーを確保することができるのか、企業の課題を探った。

日本人材ニュース

新事業や既存事業の推進役となるリーダーの不足が深刻に

新しいICTの活用による市場規模の拡大でビジネス環境が激変し、これまで社内で中心的な役割を果たしてきたリーダーの知識や経験だけでは事業をまとめることができなくなっているためだ。そんな中、様々な企業がリーダー人材の採用と育成を強化し始めている。

労働政策研究・研修機構が実施した調査によれば、激変する経営環境にあって企業が競争力の源泉と考えるのは、「顧客ニーズへの対応力(提案力含む)」(52.5%)、「既存の商品・サービスの付加価値を高める技術力(現場力)」(44.4%)の二つが多い。

今後、自社の競争力として強化すべき要素については、「人材の能力・資質を高める育成体系」(52.9%)がトップ、次いで「顧客ニーズへの対応力(提案力含む)」(45.5%)、「従業員の意欲を引き出す人事・処遇制度」(39.5%)、「既存の商品・サービスの付加価値を高める技術力」(36.7%)などが続く。

そして、競争力強化の現状の取り組みと今後の取り組みの差に注目すると、「人材の能力・資質を高める育成体系」(25.6ポイント差)と「従業員の意欲を引き出す人事・処遇制度」(20.8ポイント差)の人材にかかわる二つが圧倒的に大きい。

この結果から「顧客ニーズへの対応力」と「既存の商品・サービスの付加価値を高める技術力」という企業競争力をより高めるために、人材の資質・能力の向上と能力を引き出すための制度の構築によって、リーダーの確保と活躍できる環境を作ろうとする企業の姿勢が浮かび上がってくる。

企業競争力を高めるためには人材の強化が急務

●現在の企業競争力と今後強化すべきもの

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(出所)労働政策研究・研修機構「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査」

だが、多くの企業から「新規事業を推進できるリーダーとなる人材が採用できない」「事業を支えるリーダーの育成がうまくいかない」という声が聞こえてくる。切迫したリーダー人材の不足について、中堅食品メーカーの人事部長は次のように明かす。

「リーマン・ショックと東日本大震災では大きな損失を被りましたが、政府の経済政策などで既存事業がようやく回復して次の事業展開が求められるようになっています。しかし、新規事業の構想はあるのですが、回復した既存事業に人手を取られ忙しく着手することができません。既存事業も拡大するためには新システムの導入などが必要なのですが、これまで事業をリードしてきた部課長クラスはIT化に関する知識や経験がとぼしく対応することができない状態です」

事業の推進役となる人材確保の方策については、「次世代リーダーの養成を意識して研修などを通して育成を進めてきたのですが、新事業を担えるようなリーダーに必要となる知識や経験を考えると社内での育成は難しいと考えていますので外部から採用する計画です。既存事業を支えるリーダーについては育成できているという自信はありますが、経営環境の変化や技術革新を考えるとITを含めた様々な知識や能力を備えた若手リーダーを今後は養成しなければならないと思っています」と人事としての問題意識を語った。

経営環境の変化とともに企業が必要とするリーダー像は数年間で大きく変化

経営環境の激変とともに企業が必要とするリーダー像もここ数年で大きく変わってきている。

最近のリーダーに求められる資質について人材紹介会社のパソナフォーチュン尾崎善行社長は、企業の成長フェーズによって若干異なるとした上で①年齢、性別、国籍、他業界出身者を束ねられるダイバーシティを理解したマネジメント能力、②他部門との調整能力、③グローバルな成長の経験者、④女性能力の活用の4つを挙げる。

そして、このような変化について「これまでのビジネスとは違い異業種からの参入などで企業競争が同業他社から業界業種を越えて広がってきています。これまでのような社内の既存ビジネスや同業界のビジネスの経験だけでは、新事業や既存事業の拡大を推進するための能力が不足してしまいます。

そのため異業種を超えてビジネスを構築できる能力が必須になってきているのです。また、社内でも定年延長で年上の部下を統率しなければならず、女性能力の活用では育児休業や時短勤務などダイバーシティを理解したマネジメントがこれからのリーダーには求められています」と説明する。

景気の回復で、多くの企業が事業拡大のために必要なリーダー人材の確保に一斉に走り始めている。しかし、ビジネス環境の変化で業界の垣根が無くなり、求める人材も業界業種を問わずほぼ同様のリーダー人材を求める傾向があるため採用活動は困難を極めている。

人材採用においては、候補者本人のキャリアや転職に対する考え方の変化も無視できない。リーダーとなり得る人材は自身のキャリア形成に強い意欲を持ち、ビジネスを成功に導くことを重視しているためだ。

そのため、これまでのように有名企業であるとか、単によい賃金や処遇であるという理由で迎え入れようとするリクルーティングでは優秀なリーダーは採用できない。

MBAホルダーのキャリア形成を支援するグローバルタスクフォースの山中英嗣代表は、リーダー人材は自分が活躍できないような組織風土の企業に入社することはないと断言する。

「『戦略と施策の整合性がない』『属人的なマネジメントが横行』など、経営のガバナンスが弱い企業はリーダー人材から組織文化に問題があると判断されてしまうため、有能な人材を採用することはできないでしょう」と指摘する。

人材を生かすための人事・組織の見直しに取り組み始めている

●企業のグローバル競争力を高めるための働き方改革

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(出所)経済同友会「世界に通ずる働き方に関する企業経営者の行動宣言」から一部抜粋

昇進、異動、研修などの目的やキャリアパスを従業員に説明しない日本企業

組織人事コンサルティングのヘイグループが世界のベストリーダーシップ企業を調査したところ、トップ20社に日本企業はトヨタ自動車が12位にランクインしただけだった。そしてリーダーシップ開発について日本企業と世界との驚くべき格差を公表している。

その調査によれば「会社は、社員が最も重要な役割につけるような体系的なキャリアパスや職務を備えている」がトップ20企業では80%、世界平均47%に対して日本平均はわずか25%、「社員は、自分たちに提供される可能性のあるキャリアパスについて理解している」はトップ20企業が80%、世界平均48%に対して日本平均は35%にとどまっている。

さらに日本企業の課題を分析したところ、人材評価や育成のプロセス、研修への取り組み、リーダー育成の投資や昇進・異動については世界と遜色なく実施してはいるものの、「社員が昇格や異動するときには、それがどのように自分のキャリアに関係するのか理解している」(トップ20企業が89%、世界平均67%、日本平均44%)、「すべての階層のリーダーシップのポジションに空があれば、そのポジションにつく用意のある優秀な候補者が社内に十分いる」(トップ20企業70 %、世界平均44%、日本平均24%)の二つが著しく低い。

リーダーシップ開発は企業人事の重要課題

●日本企業の課題

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●リーダーシップ開発に優れている企業の特徴

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社内における昇格、異動、そして研修などでその目的やキャリアパスが社員に明確に説明されていないために、その結果としてリーダー人材が十分に育っていないことが大きな課題となっているのである。人事の情報が社員に開示されないことが社員のロイヤリティの低下を招き、様々な制度や施策の効果が半減しているのではないか。

最近は日本企業でもベンチャーや中堅企業を中心に、組織における職務や役割を明確にして本社役員や子会社社長に若手リーダーを抜擢する企業も現れてきている。しかし、多くの企業は旧態依然とした組織風土を持ったままだ。そうであれば、社内にリーダー人材は育たないし、外部からの採用も難しくなる。

企業の今後の課題は、短期的には経営戦略を実現できる知識・能力や経験を持った人材の採用であり、中長期には社内の若手リーダーの育成であることは論を待たない。そして、これを実現するためにいま最も取り組まなければならないことは、若手リーダーが活躍できるような組織風土への変革であり、職場作りであることは言うまでもない。

専門家に聞く「企業を成長させるリーダーの条件とリーダー確保のための取り組み・課題」

採用責任者が自社の魅力を候補者に伝えて直接口説く

セールスキャリアエージェント

セールスキャリアエージェント 斎藤 信人 代表取締役社長

リーダーに必要な条件は、人を教育できるということだ。約10年、人材紹介業に携わっているが、多くはトップセールスがリーダーに就くことが多い。そこで感じたことは、教え方が上手くない人だと部下を育てることができない。
マネジメント層の評価も部門業績だけで決定しがちで、部下を教育して成長させているという点をあまり考慮していない会社が多いように思う。人材の定着性がより大事になっている中、メンバーを育成するためにも、リーダー自身がぶれない仕事をするために、行動の指標となる「教科書」を作ることができるような人材が求められている。
優秀なリーダー人材を採用するためには採用の仕組みを整えることも大切だが、採用責任者が先頭に立って自社の魅力を候補者に伝えて直接口説くことが欠かせない。

ポテンシャル、経験、自信、周囲の信頼でリーダーシップを発揮

ワークス・ジャパン

ワークス・ジャパン 清水 信一郎 代表取締役社長

ポテンシャルの高い人材が多様な「経験」を積み、自身の考えと行動に自信を持つと自ずと周囲からの信頼も厚くなる。リーダーシップとはこうした状況でこそ発揮されるものだろう。
「経験」という点から新卒採用支援の中で感じるのは、学生が働くことを具体的に考えられる機会をもっと提供していく必要があるということ。それはリーダー育成だけでなく、学生が自分の適性を理解するためにも役立つ。
学生は目の前で起きた単なる「体験」を「経験」として語りがちなので、面接担当者にはその学生が「経験」のレベルまで掘り下げて考えられる人材なのかを見極めるスキルが必要だ。長期インターンによって学生のリーダーシップの資質を徹底的に見極めるような外資系企業はあるが、日本企業の新卒採用活動とは大きく異なる。

景気に関係なく優秀な人材の採用ニーズは過去にない高水準に

インターウォーズ

インターウォーズ 渡辺 浩 取締役

リーダーの条件は、圧倒的な当事者意識だと思う。環境の悪化などを言い訳にせず、困難な状況を受け止めて自分がどうしていくのかを考えられる人が求められている。
事業や商品のサイクルが短くなっているため、景気に関係なく優秀な人材は採用していくという企業の意識が強まっており人材ニーズは過去にない高水準となっている。リーダー人材の紹介の際に特に気をつけているのは、候補者と組織、特に経営トップとの相性だ。
企業と候補者が相互理解を深めるために、いきなり面接を行うのではなく、フラットに話ができる場を設定することも増えている。優秀な人材は多くの企業から引く手あまたなので、経営トップや採用責任者がそうした場で熱意を直接伝えないと他社との採用競争に勝つことはできない。

国籍や企業所在地を問わずハイレベルな人材を奪い合う状況に

タリスマン

タリスマン 盛内 文雄 マネージングディレクター

当社が人材紹介を行っているIT分野は、グローバルに事業展開を行うことが当たり前になっているため、国籍や企業の所在地を問わずハイレベルな人材を奪い合っている。
日本企業からも依頼を受けて、世界中の成長企業が狙っているような人材にアプローチしても残念ながら年収水準で負けてしまうことが多い。IT分野のリーダーは、フラットな組織形態の中で自らも技術の進歩にキャッチアップしながらハンズオンで仕事を進めていくスタイルを好むため、日本企業に多く見られるようなピラミッド型組織で働くことに関心を示さない。
採用に成功している企業は、専門分野のエージェントと深いコミュニケーションができる専任のリクルーターを配置し、人材市場の動向や候補者の特性を理解して採用活動を行っている。

「成長せぬ者、指導育成ができない者は生き残れない」風土を醸成

メンター・クラフト

メンター・クラフト 葛西 伸一 代表取締役社長

「自己成長を止まない人」こそが、企業を成長させるリーダーの条件と考える。組織で役職がつくと「一丁上がり」で自己成長に関心を持たず、いかに部下たちを的確に動かすかにフォーカスがいきがちになる。しかし、部下たちはそう簡単に思い通りには動いてはくれない。
ピーター・ドラッカー氏曰く「リーダーと普通の人たちの差は一定である」これはリーダーの能力と部下たちの能力は常に一定の幅を保ちながら連動するという意味だ。したがってどんな立場になっても自身を成長させようと努力する人こそ、企業を成長させるリーダーになるのではないだろうか。
そのために「成長せぬ者、指導育成ができない者は生き残れない」という風土をトップのコミットメントや教育研修制度を通して醸成できるかが鍵となるだろう。

リーダー適性を測定するために共通の土台が必要になっている

キャニングプロフェッショナル

キャニングプロフェッショナル 横山 功 代表取締役

日本のグローバル企業に対してアセスメントツールとそれを用いたコンサルティングを提供しているが、次世代リーダーの発掘に関する相談が増えている。先が見えない中でグローバルに企業を成長させることができるリーダーを探し出そうとしており、リーダーは日本人でなくても構わないという考え方も強まっている。
これまで日本企業は上司の推薦によって昇進して経営幹部になっていく人事が一般的だったが、最近は自社が求めるリーダー像を明確に設定して、合致する人材を早期に引き上げたいという企業が出てきている。
アセスメントに関心が高まっているのは、適性を測定するために共通の土台が必要になっているからだ。リーダー候補者の強みや弱みを把握した上でより効果的なトレーニングを行っていくことが必要だろう。

柔軟な姿勢で物事に取り組み、多様な価値観に対応する能力が必要

パソナフォーチュン

パソナフォーチュン 尾崎 善行 代表取締役社長

少子高齢化の影響により企業における社員の年齢構成がいびつになってきた。またビジネス環境も激しく変化しており、今や業界業種、また国境を越えた企業が自社の競合相手となるケースが広がってきている。
こうした経営環境の変化から、ビジネスリーダーには多様な年齢層、性別、国籍、雇用形態や価値観を持った社員を率いる力に加えて、他業界出身者や社内における複数の部門を巻き込みながら業務を遂行できるリーダーシップが求められている。
つまり、これまでの経験や常識にとらわれることなく、柔軟な姿勢で物事に取り組み、多様な価値観に対応する能力が必要不可欠となっている。このようなリーダーシップのもと、企業はイノベーションを継続的に生み、成長していくと考える。

採用の方針や仕組みを明確にし、キャリア開発の機会を用意

GJパートナーズ

GJパートナーズ 松田 浩行 代表取締役

主に30代を対象とした次世代リーダーの採用意欲が、あらゆる業種で高まっている。景気の回復を受けて今後のビジネスを考えていく中で、次の経営を担える人材が育っていないという危機感を持っている企業は多い。
そうした中で採用を成功させている企業は、人事だけでなく経営陣や事業部門を含めて採用の方針や仕組みが明確になっており、入社後にもキャリア開発の機会を用意して候補者をひきつけている。
一方で、次世代リーダーの採用は、経営幹部候補にふさわしい職務実績やマネジメントの経験、高い語学力などが条件となるため、候補者を見つけるのは容易でない。現職で活躍している人をリサーチしても10年前に比べて候補者が少なく、さらに今の30代は転職にやや保守的になっているようにも感じられる。

プロフェッショナルとの仕事を通じてリーダーシップを学ぶ

エッセンス

エッセンス 米田 瑛紀 代表取締役

企業を成長させるリーダーの条件は、どんな状況でも逃げないで仕事をやりきるという点に尽きるが、こうした人材が求職者として人材市場に出てくることは少ない。
当社は、企業の人材確保の悩みを解決するために、経営幹部経験者のようなプロフェッショナルを顧問や業務委託などの形態で企業に紹介する事業を行っており、ビジネスの変化が早いIT業界やベンチャー企業に加えて上場企業でも活用が広がっている。
本人が直接活躍してくれるのはもちろん、社員がプロフェッショナルと一緒に仕事にすることを通じてリーダーシップの発揮の仕方が学べるなど、社内のリーダー育成にも効果がある。企業との固定的な雇用関係に縛られずに自らのスキルや経験をより幅広く活かしたいという人材が今後はさらに増えてくるだろう。

経営のガバナンスが弱い企業はリーダー人材を採用できない

グローバルタスクフォース

グローバルタスクフォース 山中 英嗣 代表取締役

当社は事業会社とコンサルティングファームの両方を経験したメンバーを中心にチームを編成し、企業常駐型で支援を行っているが、M&Aなどの企業が成長を目指すための案件でニーズが拡大している。
M&Aのような特命業務は上司の指示を待っているような社員では対応できないし、経営全体と整合性のある意思決定を行っていくためにも、自分の頭で考えて行動し周りを巻き込んで最後までやり抜けるリーダー人材を社内に必要とする企業が増えているからだ。
常駐メンバーが同意すれば直接雇用(採用)に移行することも可能だが、「戦略と施策の整合性がない」「属人的なマネジメントが横行」など、経営のガバナンスが弱い企業はリーダー人材から組織文化に問題があると判断されてしまうため採用することができない。

リーダーには考え方や行動を内省するための時間と空間が必要

インパクトジャパン

インパクトジャパン 杉本 豊 代表取締役社長

以前に比べ役員・部長層のリーダーシップに関する相談が増えている。「社長が示した経営戦略を自分流に勝手に解釈して現場に伝えている」「役員会議でほとんど発言せず健全な議論が行われない」など、経営を担うリーダーとしての役割が果たせていないという内容だ。
日本の大手企業は長期雇用の中で昇進して役員・部長に就いている人が大半で、現場の楽しさや大変さが分かっているが故に、現場が気になって関与しすぎてしまう傾向がある。
リーダーの一番重要な役目は、未来を見て組織が進むべき大きな方向性を全体に示し伝え導くことだが、現場の指令に大半の時間を割いていることが多い。リーダーには、知識やスキルを習得させる前に、まず自身の考え方や行動を深く内省するための時間と空間を与えることが必要だ。

知識やスキルだけでなく、利他的で信頼感のある人格が重視される

フランクリン・コヴィー・ジャパン

フランクリン・コヴィー・ジャパン 竹村 富士徳 取締役副社長

現在のような変化の激しい環境では社員全員が主体的に働くことが求められる。そうした中でのリーダーシップとして、当社は一人一人の力を引き出す「エンパワーメント」の考え方を軸に「方向性を示す→組織を整える→エンパワーメントを進める」というサイクルの実践を提唱している。
リーダーの条件には知識やスキルの高い能力だけでなく、利他的で信頼感のある人格がより重視されるようになっており、多様性を受け入れられる人でないと務まらない。
しかし、現在の中高年層のリーダーの多くは年功序列や会社の権威を背景とした管理・指示型の行動が身についているため、意識改革のための研修を導入したり、若手からリーダーを抜擢して経験不足を補うためのトレーニングに力を入れる企業が増加している。

信念を持ってチームを率い、部下の無限の可能性を信じて支援

ワークハピネス

ワークハピネス 青砥 一浩 取締役

環境変化に応じてやり方を変え、イノベーションが起きやすい組織を目指したいという相談が増えている。こうした企業の多くは、社員から様々なアイデアが出てくる職場風土の実現がイノベーションにつながると考えており、職場を率いるマネジメント層のリーダーシップに期待している。
リーダーシップを発揮して周囲を巻き込むためには、リーダー自身のコアバリュー(基本的価値観)と自社のミッション(存在意義)、世界のトレンドが重なる“革新的価値”から一貫したビジョンと戦略でブレずに信念を持ってチームを率い、部下の無限の可能性を信じて支援することが求められる。
同時に、リーダーは社員の主体性を引き出し、創造や挑戦を促し、自立を促すマネジメント能力も高めなければならない。

現場にコミットして常に体感から得る成長について意識させる

アルー

アルー 落合 文四郎 代表取締役社長

当社が期待するリーダーの人材像には、個々のビジネス領域における単一的な視点ではなく、すべての市場・世情環境の下で企業全体のミッションのためにリーダーシップを発揮できるということが必要不可欠な要素だと考える。 
個性はそれぞれで、それを活かしながらのリーダー教育も大切だが、最も重要なリーダー育成のポイントは、やはり体感して気づくという経験を積み重ねさせるところではないだろうか。
研修という学びの場に限らず、研修と研修の間、つまり日常の現場にコミットして常に体感から得る成長について意識させることで、上司・部下ともに「育成することのリアリティ」の実感に大変役立つと考え、現在、経験学習の促進・サポートを考え抜いて当社が開発した育成システム(ALTee)を推奨している。

「共創型のリーダーシップ」への変化が求められている

テンプスタッフラーニング

テンプスタッフラーニング 岩崎 真也 代表取締役社長

次世代の経営者候補を早期選抜して集中投資する傾向が強まっている。半年ほどのプロジェクトで経営戦略や新規事業を立案し、経営陣に提言するのが主流だが、労力の割に成果が見えづらいなど、プログラムを見直す企業も増えている。
また、職場におけるリーダーシップについては、管理職の部下育成力が低下しているとよく言われるが、構造的な問題であることが多い。変化が激しく顧客の要望レベルが高まる一方、部下の多様性も増しているため、管理職が難しい業務を抱え込まざるを得ない。
ナレッジだけでなく、ゴールや価値観も共有しにくい。このような状況下、従来の管理型のマネジメントから、なんでも言える関係性を育み、試行錯誤しながら成長するチームを作る「共創型のリーダーシップ」への変化が求められている。

新興国で活躍できるグローバルリーダーが成長を実現させる

ピープルフォーカス・ コンサルティング

ピープルフォーカス・ コンサルティング 松村 卓朗 代表取締役

企業の成長が日本国内を前提としなくなってから久しい。多くの日本企業の成長ステージは、すでにグローバルに舞台を移している。これから企業を成長させるリーダーは、グローバル、特に新興国でも活躍できるリーダーだ。
グローバルリーダーは「より多様な価値観を理解できる」など、いくつか国内とは異なるリーダーシップの要素が求められる。中でも私たちが注目しているのは、新興国で活躍するリーダーに求められる「(新興国の)社会に対し、本業を通じて貢献しよう」という意識だ。
日本市場の飽和が理由での進出では、決して受け入れらないし、真の信頼や成長は手に入らない。成長は社会問題を解決した結果として起きる。新興国に山積する様々な問題に取り組むグローバルリーダーは、必ずや自社の成長を実現させるだろう。

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