厚生労働省の第67回中央最低賃金審議会で、令和5年度地域別最低賃金額改定の目安について答申が行われた。今年度の目安が示した引上げ額の全国加重平均の上限額は41円(前年度31円)となり、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額となった。仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合の全国加重平均は1002円となる。
引上げ率に換算すると4.3%(前年度3.3%)となっている。
各都道府県は経済実態に応じてABCの3ランクに分けられており、Aランクは41円、Bランクは40円、Cランクは39円となっている。
今回の答申をもとに各地方最低賃金審議会で、地域における賃金実態 調査や参考人の意見等も踏まえた調査審議の上、答申が行われ、各都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定する。
【各都道府県に適用される目安のランク】
ランクA:埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
ランクB:北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
ランクC:青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
2022年度の最低賃金額をみると、最も高いのは東京で1072円、次いで神奈川1071円となっており、これをもとに目安通りに引き上げられた場合、東京で1113円、神奈川で1112円となる見通しだ。
ほか、大阪は1064円、京都1008円、兵庫1000円、北海道960円、福岡940円などとなる見込みだ。