人事担当者の副業はOK? 副業するメリットやおすすめの業務内容を紹介

日本企業の多くが、就業規則により副業を禁止としてきましたが、働き方改革により大手企業などでも副業を解禁する動きが見られます。人事担当者のスキルは他業界においても活用できるスキルであり、副業の選択肢は豊富にあります。
この記事では、人事担当者が副業するメリット・デメリット、おすすめの副業内容についてご紹介します。

人事担当者の副業はOKか?

人事担当者に限らず、会社員の副業は法律で禁止されているわけではありません。しかし企業によっては、就業規則によって副業を禁止している、または副業を許可制にするなど、企業独自のルールが定められていることがあります。

本業の副業に関するルールを確認

企業にとって副業を許すことで、従業員の長時間労働につながることや、同業他社に情報や知識が流出することなど、損失などの懸念点が生じるため、禁止にする企業もあります。また副業を許可している場合でも、上司に届け出る必要があるとルールを設けていることもあるため、副業を検討する際には、必ず社内のルールを確認しておく必要があります。

人事担当者が副業をするメリット

人事担当者が副業をするメリットについてご紹介します。

収入を増やすことができる

副業の第一のメリットは、収入アップにつながることでしょう。一つの会社で働き収入アップを目指すには、長い時間がかかる場合が多いです。副業に就くことができれば、本業と並行しながら収入アップを目指すことが可能となります。

スキルアップ・キャリアアップにつながる

人事担当者が副業先でこれまでの経験を活かせて、副業先の違った視点を新たに取り入れられることで、業務の幅が広がり対応力も磨かれます。人事担当者がスキルアップやキャリアアップにつながり成長することは、企業にとってもメリットがあるといえます。

人事担当者が副業をするデメリット

副業するには、健康管理や労務管理などに気をつけなければなりません。副業のデメリットになる部分をご紹介します。

本業に支障がでる可能性がある

副業によって長時間労働につながり、疲労やストレスが溜まると、本業のパフォーマンスが低下する恐れがあります。本業に損失などを与えてしまえば、周囲からの信頼を失ったり副業禁止になったりする可能性もあります。本業に支障をきたさないよう、労働時間や健康管理が大切です。

法律上の手続きが必要な場合がある

企業が副業を許可する場合には、就業規則や36協定を見直す必要が出てくるでしょう。企業は副業を許可することで、労働時間管理の負担が増え、情報漏洩リスクにも備えなければなりません。

たとえば、労働基準法によって従業員の労働時間は、原則1日8時間、週40時間の労働しか認められておらず、労働時間が超過する場合には、あらかじめ36協定で時間外労働について締結させておく必要があります。

副業した場合には、本業と副業の労働時間が通算されることになります。超過分の割増賃金は基本的には後から雇用契約した企業が支払うとされているものの、本業側も通算での労働時間が、法定時間を超過することを認識して副業を許可した場合や、労働時間を延長させる場合には、割増賃金を支払わなければなりません。

就業規則の変更は、労働基準監督署へと届け出る必要があり、企業側も副業の検討や準備が大切です。

また従業員本人にとっても、副業で得た所得が1年で20万円を越える場合、確定申告が必要になります。

人事担当者におすすめの副業の業務内容

近年、労働人口の減少により、中小企業などでは、専門の人事担当者を雇用することが難しくなっています。そのため、下記の業務内容を外注化したりサービスを利用したりする企業が多く存在します。

人材採用サポート

一言で採用業務といっても、業務内容は多岐に渡ります。スカウトメールの配信や、面接の日程調整、求職者との連絡など細かな業務が多数あり、応募者が増えると企業の人事担当者だけで対応するのが難しくなります。そのため、採用業務の一部をサポートするサービスを利用したいという企業も存在するため、本業でも同様の業務を行っていた場合には、スキルを活かせます。

面接代行サポート

面接は上述した採用サポートの一部として、一括で外注化したりサービスを利用したりするケースがあります。

面接官のスキルには、求職者のキャリアやビジョンを把握し、企業が求めている人材であるか分析する力が求められます。求職者の内面を引き出すスキルは、面接の実践を経験することで身についていくため、他社の面接においても活用できるスキルです。 人事担当者が不足している企業にとって、全ての面接に対応するのが困難である状況もあり、一次面接を担ってほしいといった要望もあるでしょう。

人材コンサルティング

人材コンサルティングとは、人材を探している企業に向けての支援や、仕事を探している求職者への支援を行う業務です。そのため企業向けと求職者向けの2つに大別されます。

企業向けの人材コンサルティング業務では、人材の採用に関する課題を分析し、改善や提案を行うことが目的です。企業との打ち合わせや、競合他社の分析、求人票の作成などを行います。

求職者向けの業務の場合、求職者との面談や求人の紹介を行い、面接のアドバイスやフォローを行います。

人事労務管理支援

人事担当者は、社会保険の手続きや給与計算、勤怠管理など専門的な業務もこなさなければなりません。企業にノウハウがない場合やリソース不足の場合、実務の部分を外注化する企業も珍しくないため、労務管理の知識があれば活かせる副業です。

人材育成・教育支援

企業にとって、従業員の人材育成や教育支援は、仕事へのモチベーション維持や離職率の低下などにつながるため、企業には欠かせない取り組みです。

新入社員や若手社員、管理職などレベルに合わせての人材育成や教育が必要となるため、社内システムだけですべてを構築するのは困難です。そのため外部研修を導入したり、社内でセミナーを実施したり、さまざまなサービスを利用する企業も多く存在します。

これまで社内システムによって人材育成や教育に携わった経験がある人事担当者はもちろんのこと、人事担当者には、人前に立って話すことが苦ではなく、教えるのが得意という方が多いためおすすめの副業です。

まとめ

近年では、リソース不足から人材採用が難しくなり、人事業務の一部を外注するニーズもあるため、人事スキルがあれば活かすことができます。本業で得たスキルを活かして副業でさらにスキルに磨きをかけたり、経験値を増やし自身のスキルアップにつなげたり、自身の成長が期待できます。一方、健康面や労務管理には注意が必要です。副業に関する就業規則を確認し、本業に悪影響を与えないことが大切です。

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