転職活動を行った人のうち3人に1人が、転職活動で生成系AIを活用していることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「転職活動における行動特性調査2023年版」で明らかとなった。
直近1年間(22年6月~23年7月)に転職活動を行った人の32.6%がChatGPTなどの対話型生成系AIを活用した。
【転職活動時の生成系AI活用の有無】
活用したことがあり、今後も活用したいと思う 23.2%
活用したことはあるが、今後は活用したいと思わない 9.4%
活用したことはないが、今後は活用したいと思う 39.3%
活用したことはなく、今後も活用したいと思わない 28.2%
実際の質問内容・活用方法では、「自己PRの作成」が33.4%で最も高かった。活用方法についてマイナビでは「”自分に合う仕事のマッチング”(28.4%)、”転職活動の仕方”(26.4%)がトップ5に入るなど、生成系AIの活用は書類作成や添削だけでなく、転職活動の相談相手としても活用されているようだ」と指摘する。
【転職活動時の生成系AIへの質問内容と活用方法トップ5】(複数回答)
自己PRの作成 33.4%
自分に合う仕事のマッチング 28.4%
志望動機の作成 28.2%
履歴書の添削 27.0%
転職活動の仕方 26.4%
転職活動時の生成系AI活用の有無ごとに転職活動の総合的な難易度についてみると、活用した人では「簡単だった」が45.3%になる一方で、活用していない人は25.1%に留まった。
【転職活動の総合的な難易度意識】
転職活動時にAIを活用した人
簡単だった 45.3%
どちらともいえない 27.9%
難しかった 24.2%
わからない 2.6%
転職活動時にAIを活用していない人
簡単だった 25.1%
どちらともいえない 33.5%
難しかった 33.7%
わからない 7.8%
直近1年間(22年6月~23年7月)に転職活動を行い転職した人の選考状況を生成系AI活用の有無別にみると、応募数の平均・書類選考通過数の平均・内定獲得数の平均いずれも生成系AIを活用した人の方が多かった。特に内定獲得数の平均は4.6件(活用していない人との差2.8件)で、活用していない人より2.5倍以上多い。また、生成系AIを活用した人の内定獲得率は27.1%に対し、活用していない人は12.0%で、2倍以上の差が出る結果となった。
【転職活動の選考状況】
転職活動時にAIを活用した人
応募数(平均) 17.2件
書類選考通過数(平均) 8.5件
書類選考通過率 49.5%
内定獲得数(平均) 4.6件
内定獲得率 27.1%
転職活動時にAIを活用していない人
応募数(平均) 14.8件
書類選考通過数(平均) 6.0件
書類選考通過率 40.6%
内定獲得数(平均) 1.8件
内定獲得率 12.0%
転職活動に生成系AIを活用することについてマイナビでは、「難易度意識だけでなく、内定獲得数や獲得率でも差は出たが、活用方法次第では、自分の個性や本質的な強みに気づけず、画一化されてしまう恐れもあるため、今後AIとの付き合い方はより重要になってくるだろう」との展望を述べた。
調査は、2023年7月6日~18日、正社員として働いている20~50代の男女のうち、直近1年間(2022年6月以降)に転職活動をした人を対象にインターネットで実施し、1600人の有効回答を得た。