上場企業の賃上げ率は3.66%の見通し、2社に1社の経営者はベアを「実施する予定」と回答

労務行政研究所が上場企業等を対象に実施した「賃上げ等に関するアンケート調査」によると、2024年の賃上げ見通しは定昇込みで3.66%となり、2023年実績並みの水準となることが分かった。

労務行政研究所が上場企業等を対象に実施した「賃上げ等に関するアンケート調査」によると、2024年の賃上げ見通しは定昇込みで3.66%となり、2023年実績並みの水準となることが分かった。

2024年の賃上げ見通しは、全回答者の平均で1万1399円・3.66%となった。

厚生労働省調査における主要企業の23年賃上げ実績(1万1245円・3.60%)から154円・0.06ポイントの微増となり、23年実績並みの水準となる見通しである。

賃上げ率の分布を見ると、労働側は「4.0~4.1%」が19.7%で最も多く、「3.0~3.1%」が18.9%で続く。経営側は「3.0~3.1%」が 22.7%で最も多く、次いで「4.0~4.1%」が12.5%である。

労使別の額・率の平均は、労働側が1万1941円・3.85%、経営側が1万1052円・3.54%となっており、労働側が経営側を889円・0.31ポイント上回っている。

定昇については、労働側で88.5%が「実施すべき」、経営側で89.8%が「実施する予定」と回答し、労使とも大半が実施に前向きな意向を示している。

ベアについては、労働側では「実施すべき」が91.8%で大半を占めた。経営側では「実施する予定」が48.4%と約半数を占め、「実施しない予定」(21.9%)を大きく上回っている。

経営側では、ベアを「実施する予定」の割合が15年に35.7%と増加。16~19年は“20~30%台”で推移していたが、20年に16.9%と2割を下回り、21年は4.8%とさらに低下。22年は17.0%と若干上昇した後、23年は41.6%と大幅に上昇し、24年はさらに上昇して48.4%となり過去10年で最高となった。

23年のベアの実績は、「実施した」が71.1%と、「実施しなかった」の25.8%を大幅に上回っている。23年の実績と24年の予定を併せて見ると、両年とも“実施”が42.2%で最も多く、両年とも“実施しない”は13.3%にとどまっている。

賃上げ以外で24年春季交渉において課題・焦点になると思われる人事施策について「交渉で話し合う予定」の割合を見ると、労働側では「人材の採用・確保」が41.3%で最も多く、「諸手当の見直し」が34.7%、「時間外労働の削減・抑制」が31.0%で続いている。

一方、経営側では全項目において「交渉で話し合う予定」の割合が労働側より少ないものの、労働側と同様に「人材の採用・確保」が19.1%と最多。以降は「時間外労働の削減・抑制」が15.4%、「諸手当の見直し」が14.0%と続いている。

調査は、労働側は東証プライムおよびスタンダード上場企業の労組委員長等を対象に、経営側は全国証券市場の上場企業と上場企業に匹敵する非上場企業の人事・労務担当部長を対象に、専門家は主要報道機関の論説委員・解説委員、大学教授、労働経済関係の専門家、コンサルタントなどを対象に実施し、2023年12月1日~2024年1月15日までに労働側244人、経営側128人、専門家106人から回答を得た。

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