ケンブリッジ・リサーチ研究所
恰 良太 ヘルスケア事業部 シニアコンサルタント
アベノミクスの「戦略市場創造プラン」の後押しもあり医療業界は国の支援を背景として恵まれた環境にあるとは言えます。
しかし外資系メディカル企業、特にデバイス関連の会社は、グローバルでみても年率20%の成長率を続けている優良業界とはいえ、実際の採用現場はそれほどそれに見合った恩恵はまだ受けていないように感じています。
人材需要が高いのは営業系とスペシャリスト系(薬事、品質担当、エンジニア等)に分けられますが、圧倒的に求められる人材の母数は売る能力を持った人材(営業)であり、スペシャリストの採用は大きな変化が見られません。
特に営業人材の募集については企業によって、特に企業規模や開発力(≒資金力)の差によって特徴の違いが顕著になってきた印象があります。
背景には業績の二極化が進んでいるように感じられ、上位企業は客観的な適性理解を含めた採用の上、他業界からもポテンシャルを持った人材を社内で工数をかけて教育するということに力を注ぐことができる。
一方、そのような資金や工数を持てない企業は業界出身の人材を中心とした採用で垂直立ち上げせざるを得ず、組織としての底上げに苦労する負のサイクルが回りかねない傾向があるように感じています。
業界未経験者(概ね30才位まで)を含めその企業特性にあった候補者の探索、選別能力の向上意欲が企業規模の大小問わず高まっています。
企業はWeb媒体等も活用した採用能力を高めることはもちろんですが、可能性のある人材に「企業独自のストーリーを伝える」というアナログ的な能力をさらに高めることも重要だと考えています。
それは自社の風土や仕事の仕方、将来のビジョンなど含め自分達の存在を早いタイミングで候補者に体感覚で理解してもらう、断片的な活字情報を並べるだけだとプラスにもマイナスにも判断は流れやすいはずです。このような点からも我々エージェントとの共同作業での貢献は大きいように感じています。