人材採用

企業組織のグローバル化で求められる人事プロフェッショナル

企業組織のグローバル化が、人事職に求める役割に変化をもたらしている。人事職の求人と転職の状況について、人材紹介会社のヘイズ・ジャパン クリスティーン・ライト代表とルイーザ・ベネディクト シニアマネージャーに聞いた。

ヘイズ

ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン
クリスティーン・ライト 代表

ヘイズ・ジャパン

ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン
ルイーザ・ベネディクト シニアマネージャー

人事職ではどのような求人が増えていますか。

一つは、グローバル企業でマネジメントの経験がある人事プロフェッショナルです。人事の全ての領域を経験し、グローバル人事を担当できる人材の求人が目立ちます。背景には、日本企業が海外事業の強化を本格化させ、人事職に求められる役割が大きく変わってきたことがあります。

日本市場を前提とした企業組織のあり方に変革が求められ、人事職には戦略思考でパートナーシップ、タレントマネジメント、ダイバーシティなどを理解して、新たな企業組織を作り上げていくための経営のパートナーであることが期待されていますが、こうした役割を担える人材が不足しています。そこで、人事プロフェッショナルを採用して、変革を推進してもらおうと考える日本企業が増えています。

また、採用、タレントマネジメント、評価・報酬に関わる業務で専門スキルを持つスタッフも不足しています。労働力人口の減少が進む中で優秀な人材の獲得競争はすでに激しく、日本だけでなく世界中から人材の獲得に動く企業も増え、採用業務は高度化しています。

そして、獲得した人材を活かすための配置や能力開発、評価・報酬の仕組みも必須です。ビジネスの成長を推進できる人材は多くの企業で不足しており、人材の獲得と定着を実現できるスキルと経験がある人事スタッフに高いニーズがあるのです。

企業の採用基準の変化は?

ヘイズ・ジャパンが持つ人材データベースの85%は日本人で、そのうち90%がバイリンガルです。グローバル企業で活躍している人が多いので、そうした人材を紹介してほしいという日本企業からの相談が多くなりました。当社が、250社の人事・採用担当マネジャーを対象に実施したグローバル人材のニーズに関する調査結果では、グローバルなマインドを持つ人材の発掘が難しいと回答した企業が82%に上りました。

しかし、52%の企業はグローバル人材を社内で育てる施策を行っていないと答えています。グローバル人材の育成が間に合わず、採用を成功させなければならないという切迫感が強まっています。従来は、外資系企業からの転職や転職経験が複数回ある候補者に対して抵抗感を示すクライアントもいましたが、現在は求める役割にふさわしい人材であるかで採用するようになりました。多くの組織で経験を積んでいることが、変化への対応力を備えた人材であるとプラスに評価されています。

ヘイズは32カ国でビジネスを行い、人材データベースが統一されていますので、海外で活躍している人材を探すこともできます。最近の事例では、日本の電機メーカーから、グローバル基準の能力開発制度の構築と運用ができる人事職の求人があり、欧州で活躍している日本人を紹介しました。

企業にはどのようなプロセスで候補者を紹介していますか。

人材データベースからプレスクリーニングを行い、候補者へのインタビューを経て、候補者を紹介します。最も重要なインタビューでは、テクニカルスキルだけでなく、マネジメント、コーチング、ビジネスセンス、交渉力、意思決定力といったソフトスキルをコンピテンシーベースで確認し、求人企業に合うか、どのような業務で力を発揮できるのかを見極めます。

私たちの仕事は、求人企業から示された採用条件を満たす人材をただマッチングするだけではありません。インタビューで候補者を深く理解できていれば様々な可能性を求人企業と候補者双方に示すことができるので、選択肢が広がります。 例えば、関西の大手メーカーが人事責任者を探していましたが、他社では条件に合う人材が見つからないということで依頼がありました。良い候補者がいたものの年齢がやや高く、本人もリタイヤを見据えて長期的な雇用に難色を示しました。

そこで、2年間の契約で紹介し、その2年間で人事責任者の後継者を育てるという提案を行い、採用が決まりました。企業の課題に対して適切なソリューションを提供できることが大切です。

人事職には今後どのようなスキルやキャリアが求められますか。

語学力の重要性は一層高まると思います。ダイバーシティが進み、多様な文化や外国人従業員の考え方を理解できるセンスも必要です。グローバルに活躍したいのならば、海外拠点と関わる仕事に積極的に手を挙げ、様々な組織で仕事してみるなど、グローバル戦略を進める企業が求める経験を積むことができるキャリアを早くから考えてみる必要があります。海外で専門的に学ぶことも有効でしょう。

キャリアを考えるには、転職の際に慌てて情報を得るのではなく、私たちのようなリクルーティングの専門家に相談してほしいと思います。多くの企業の組織文化や仕事の進め方の違いを熟知していますので、キャリアを実現するためにどのような選択肢があるのかをアドバイスができます。

エナジード
経営者JP

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