「70歳までの就業確保」努力義務の企業認知度は約5割、66歳以上の就労を希望する人は約5割

 高年齢者雇用安定法改正(2021年4月施行開始)における「70歳までの就業確保」の努力義務について企業の認知度は、外資系業で55%、日系企業で51%となっていることが、エンワールド・ジャパン (東京・中央、ヴィジェイ・ディオール社長)の調査で明らかとなった。

 企業(人事・採用担当者)に、「70歳までの就業機会確保」の努力義務について感想を聞くと、「前向き・ポジティブ」と回答したのは外資系企業で39%、日系企業で51%となり、日系企業の回答が12ポイント高くなった。「後ろ向き・ネガティブ」との回答は外資系企業で35%、日系企業で23%だった。

 「現在、高年齢者雇用安定法に基づき、どの様な措置を取っているか」と聞くと、外資系企業、日系企業ともに「65歳までの継続雇用制度導入」と回答した企業が最多となった。(外資系企業65%、日系企業71%)次いで「65歳までの定年延長」が外資系企業で28%、日系企業で21%となった。

 2021年4月以降「70歳までの就業機会確保」にどの様な措置を取る予定かについては、「まだ検討していない」が約6割(外資系企業64%、日系企業61%)を占めている。

 検討を進めている企業では「70歳までの継続雇用制度導入」が最も多くなった。(同23%、29%)ほか、「70歳までの定年延長」は外資系企業で1%、日系企業で5%だった。

 一方、転職サービス登録者に「何歳まで働き続けたいと思うか」と聞くと、約8割が「61歳以上」と回答した。(外資系企業社員78%、日系企業社員80%)。2021年4月の高年齢者雇用安定法改正で就業機会確保の努力義務が開始される「66歳以上」は約5割(外資系企業社員54%、日系企業社員55%)だった。

 「60歳を過ぎたら、どの様に働きたいか」と聞くと、1位は「60歳までと同じ職場・職種・役職」(同29%、30%)だった。「60歳までと同じ職場・職種・役職」と回答した理由を聞くと、「現ポジションへの貢献度の高さ」「変化への不安」「突然能力が下がるわけではない」「収入額を維持したい」という内容の回答が目立った。

 調査は、2020年3月26日~30日にインターネットで実施し、企業113社、転職サービス登録者 1275人から有効回答を得た。

PAGE TOP