2023年卒学生の採用予定数を増やす企業の割合が増加したことが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)の実施した「マイナビ2023年卒 企業新卒採用予定調査」で明らかとなった。
23年卒学生の採用予定数を増やすと回答した企業の割合は、大学(文系)が19.1%、大学(理系)が22.9%、大学院(理系)が13.4%で、いずれも22年卒を上回った。
新卒採用を実施する理由は22年卒と同様、「組織の存続と強化(活性化)」(67.8%)、「年齢など人員構成の適正化」(58.2%)が上位となった。
現状の採用動向についてマイナビは「アフターコロナに向けた組織強化や、大卒年齢に相当する22歳人口が今後減少していくことなどを踏まえ、現時点から若手人材を確保する必要性を感じているようだ」と分析している。
【23年卒の採用予定数】
大学(文系)
増やす 19.1%(22年卒13.5%)
前年並み 56.4%(同57.0%)
減らす 5.1%(同8.4%)
大学(理系)
増やす 22.9%(22年卒17.3%)
前年並み 57.8%(同59.1%)
減らす 3.7%(同6.9%)
大学院(理系)
増やす 13.4%(22年卒8.9%)
前年並み 45.6%(同48.3%)
減らす 2.9%(同5.6%)
採用基準について聞くと、「前年並み」が86.5%(22年卒79.7%)で、「厳しくする」は11.0%(同19.5%)に減少。新卒採用のゴールとして最も重視されているのは「自社の職務適性が高い人を多く採用すること」となった。
【新卒採用のゴールとしてもっとも重視していること】
自社の職務適性が高い人を多く採用すること 38.8%
自社の社風にあう人を多く採用すること 22.1%
採用予定人数を達成すること 19.6%
入社後の定着率を上げること 12.5%
自社のハイパフォーマーに似た要件を持つ人材を多く採用すること 7.0%
WEB活用の予定について22年卒と比べると、23年卒では「全て対面」「全てWEB」のように開催形式を固定している割合が減り、WEBと対面を併用する傾向にある。一方、最終面接のみ「全て対面」とする割合が69.6%で高い結果となった。
【WEB活用状況】
インターンシップ
全て対面 28.3%(前年36.3%)
WEBと対面の併用 48.4%(同37.1%)
全てWEB 23.2%(同26.6%)
個別企業セミナー
全て対面 14.0%(前年19.9%)
WEBと対面の併用 61.8%(同50.2%)
全てWEB 24.3%(同29.9%)
最終面接
全て対面 69.6%(前年69.1%)
WEBと対面の併用 26.4%(同20.2%)
全てWEB 4.0%(同10.7%)
採用担当者のコメントには「WEB形式で説明会を実施することで遠方の学生にも参加してもらえる」「WEBの導入で採用業務の負担軽減につながる」「一度も会わないことに不安を覚える学生もいるので面接は対面でも実施する」などが見られる。
調査は、2022年2月1日~14日、新卒採用実績のある国内企業や「HUMAN CAPITALサポネット」会員、マイナビ2023利用企業などを対象に郵送やメールで実施し、2632社の有効回答を得た。(上場373社、非上場2259社/製造1009社、非製造1623社)