2024年卒の採用を増やす企業は約3割で採用意欲が上昇していることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「マイナビ2024年卒 企業新卒採用予定調査」で明らかとなった。
企業の24年卒の採用予定数は文系・理系ともに「前年並み」が最多(文系:52.6%、理系52.3%)だったが、「増やす」は文系で8.6ポイント増の27.7%、理系で6.9ポイント増の29.8%となっている。
近況についてマイナビでは「22年卒から23年卒にかけても採用数を“増やす”企業は増えていたが、24年卒はさらに大きな増加幅となっており、採用意欲がより上昇している様子がうかがえる」と指摘する。
【文系 2024年卒採用予定数】
増やす 27.7%
前年並み 52.6%
減らす 3.0%
未定 10.0%
なし 6.6%
【理系 2024年卒採用予定数】
増やす 29.8%
前年並み 52.3%
減らす 2.2%
未定 11.5%
なし 3.9%
新卒採用を実施する理由を見ると、「経営状態の好転・既存事業の拡大」(前年比2.4ポイント増の27.7%)や「前年に新卒を採用できなかった」(前年比5.5ポイント増の15.6%)が2年連続で増加した。
採用予定数増加の背景についてマイナビは、「景気が持ち直しつつあることで経営状態が好転し、採用意欲がより高まっていることや、23年卒の新卒採用に苦戦した企業がその結果を踏まえて採用予定数を多く設定している」と分析する。
24年卒の採用環境の見通しが「(非常に)厳しくなる」と回答した企業は、文系で前年比21.7ポイント増の49.1%(「非常に厳しくなる(11.9%)」+「厳しくなる(37.2%)」)、理系で前年比19.8ポイント増の50.4%(「非常に厳しくなる(17.6%)」+「厳しくなる(32.8%)」)だった。
今後の見通しについてマイナビでは「採用意欲の上昇により人材獲得競争が激化しており、学生からの応募獲得が難しくなっている様子がうかがえる」とした。
応募者へのPRのために、初任給の引き上げや基本給の引き上げを実施・検討しているか聞いたところ、初任給については59.2%、基本給については56.1%の企業が「実施(予定)または検討している」と回答した。
また、残りの4割程度の企業のうち、「まだ検討もしていないが必要性を感じている」とした企業は初任給については19.1%、基本給については22.1%となっている。
【応募者へのPRのために導入・改正した、もしくは導入・改正を検討していること】
●初任給の引上げ
現時点ですでに導入・改正をしている 25.3%
2023年以内に導入・改正する予定 8.5%
2024年卒入社の人も対象となる前提で、導入・改正を検討している 9.4%
時期は確定していないが、導入・改正を検討している 16.0%
まだ検討もしていないが必要性を感じている 19.1%
考えていない 10.2%
実施する予定はない 11.5%
●基本給の引上げ
現時点ですでに導入・改正をしている 21.7%
2023年以内に導入・改正する予定 8.9%
2024年卒入社の人も対象となる前提で、導入・改正を検討している 8.3%
時期は確定していないが、導入・改正を検討している 17.2%
まだ検討もしていないが必要性を感じている 22.1%
考えていない 10.6%
実施する予定はない 11.3%
調査は、2023年2月1日~14日、マイナビ運営の採用・育成・組織戦略に関する情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」会員、マイナビ2024利用企業担当者を対象に実施し、2036社の有効回答を得た。(上場181社、非上場1855社/製造765社、非製造1271社)
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