要員計画は、企業が事業計画に基づいて従業員に関する計画を立案することで、人員計画と呼ばれることもあります。必要な人員を採用することや反対に不要な人員を整理すること、チーム編成や人員配置による異動などを含めて要因計画をたてます。
要員計画の目的は、人材資源を明確化し経営戦略に活かすことです。人員が多いほうがよいからと採用を続けていては人件費がかさみ、反対に人件費をカットすれば従業員に無理をさせ業務がうまく回らないことは明らかです。効果的に業務がまわるように、人材をコントロールすることが大切です。
要員を見積もる方式は、ボトムアップ方式とトップダウン方式の2つの方式があります。ボトムアップ方式は、各部門で必要な人員を見積もる方式で、業務内容や業務量を分析し必要になる人員数を算出します。トップダウン方式は、予算や利益計画から人件費予算をもとに人員を見積もる方式で、人件費予算から割り出した人員を、各部門に分配させます。
ボトムアップ方式とトップダウン方式、どちらの観点からも立案し、双方をリンクさせ調整する方法が効果的です。
要因計画には人員数といった量的観点だけではなく、人材力という質的観点も重要です。採用や異動など必要人数の数量的な観点に加えて、アウトソーシングや能力開発といった効果的な要員を考慮して計画する必要があります。事業計画や業務分析をもとに、求められる人材を割り出し、現状とのギャップを把握します。ギャップを埋めるために従業員の能力開発や、必要であれば業務のアウトソーシングなどの取り組みを検討します。人材不足により、ますます採用が困難になる可能性が高いため、質的観点でのベースアップも求められています。
要員計画を立案する方法は、事業計画をもとにして中長期的な視点で計画し、中長期計画に基づいて年度ごとに計画を立案する方法が一般的です。事業計画をもとに要員計画を立てないと、将来的に事業計画に適した人材がいないという問題が発生する可能性は高くなります。将来的に必要とされるニーズに合わせていくことが、要員計画をうまく活用できるポイントです。
要員計画の必要性を理解して立案することは、事業計画に即した人員人材を確保することにつながり、効果的な経営戦略の一つといえるでしょう。