トップマネジメントとは、ある組織のトップがマネジメント(意思決定や行動計画の策定を含む)を行い、マネージャー主導で組織を動かしていくことです。一般的に「トップマネジメント」という場合、企業経営者が企業全体を主導して経営する場合に使われます。ただし、必ずしも経営者(代表取締役やCEO)が主導しておらずとも、経営層に位置する取締役や、代表取締役を中心とした数名のチームで経営を推進する場合にも、トップマネジメントと表現されることも少なくありません。
トップマネジメントを実践する場合、現代経営学の生みの親であるピーター・ファーディナンド・ドラッカー(1909年〜2005年 ユダヤ系オーストリア人経営学者)の提唱 に基づき、組織のトップは次の要素を実行していきます。
●組織のミッションを考案
●組織の規範・規律を制定
●組織の存在を維持
●組織の次世代を担う人材を育成
●組織外のステークホルダーとの渉外
●儀礼への参加
●組織の危機への対応
まず、トップマネジメントをするにあたり、組織が目指すべき方向性としての「ミッション」を考案します。その後、集団としての組織活動が円滑になるよう、1つの集団としての規範・規律を制定しなくてはなりません。ここでいう規範・規律とは単なるルールではなく、組織が共有する価値基準ともいえます。そして、価値基準を共有した組織を持続させることが、トップマネジメントとしての仕事です。
ただし、いつまでもトップひとりでマネジメントすることは不可能なため、次世代の組織を担う人材育成も同時並行的に進めることになります。また、組織外のステークホルダー(株主や取引先、金融機関などの利害関係者)との渉外活動は、トップが行った方がスムーズです。
合わせて、ステークホルダーが参加する儀礼的な活動(冠婚葬祭はもちろん、業界ならではの行事も含む)には、トップが参加しましょう。これらの活動を行いつつ、組織が危機に直面した際には、トップ自らが対応することも求められます。
このように、トップマネジメントに求められるスキルは幅広く、向き不向きがあるでしょう。必ずしもトップマネジメントにこだわる必要はなく、自分にあったマネジメントスタイルを見つけることが重要です。