アカハラ

アカハラとは「アカデミックハラスメント(Academic Harassment)」の略で、学術機関(大学など)内部の力関係を利用して権力を濫用したり、不適切な言動をとったりして、研究上の不利益や学術機関の業務遂行を妨げる身体的・精神的苦痛を与えることを指します。

アカハラは、主に大学内における教授と学生の立場の差から発生します。指導的な立場にある教授やそのほか教員から、被指導者の学生に対して行われることが多いです。アカハラの代表例としては、「学生に学習機器や実験機材を使わせなかったり」、「希望しない研究テーマを与えたり」、「研究費と称してお金を徴収したり」する行為が挙げられます。

学生の進路に影響を与える不当行為、たとえば推薦状を理由なく書かなかったり、必要な情報を故意に伝えなかったりする行為もアカハラといえます。大勢の前で過度に指導する、学生の身体的特徴を持ち出して指導する行為もアカハラに含まれます。

また、学生に対する教育指導を放棄する、研究成果やアイデアの横取り(教授を論文の第一著者とするよう指示する場合を含む)や未発表論文の盗用もアカハラに含まれます。加えて、不当に単位を与えない行為や、単位を与えないことを脅し文句として使う言動も、悪質なアカハラといえます。

ハラスメント(Harassment)は、「嫌がらせ(いじめ)」という意味を指す言葉ですが、アカハラは民法709条(不法行為)に該当する言動といえます。また、場合によっては脅迫罪や、名誉棄損罪に問われることもあります。大学などの学術機関は閉鎖的な空間になりやすいため、アカハラ被害を申告しづらい環境です。また、周囲の人間も自分へのアカハラを恐れて告発できないケースもあります。

また、アカハラは閉鎖空間で起こる特性上、証拠が残りづらいハラスメントといえます。そのため、アカハラに該当するメールは保存したり、アカハラ言動を録音したりして証拠を残すことも必要となります。近年では、各学術機関にアカハラ相談窓口が設けられていることも増えています。「自分の置かれている状況がアカハラではないか」と感じた場合は、ためらわずに相談をしましょう。

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