バーターとは、ビジネスにおける物と物の交換、または商品とサービスを交換することで商談を成立させる仕組みのことを指します。バーターは、金銭ではなく物同士の交換をすることが本来の意味ですが、現代ビジネスシーンでは、お互いの商品やサービスを購入しあって関係構築を持ちかけるケースもあります。
バーター取引の実例として、商品の購入を条件に相手から自社商品の購入を求める場合や、有名企業に商品を提供して実績を作るために、その企業の商品やサービスと交換条件で取引を提案する場合があります。また、インフルエンサーに商品を提供して、SNS上で商品の使用感を投稿してもらうよう交渉する場合もあります。不動産業界においては、大家と住人の間で行われるバーター取引の一例として、新規契約者を紹介することで、紹介者の家賃が1ヶ月無料になる取引が実施されることもあります。
バーター取引は、企業の手元に現金がない状況であっても取引が可能なため、場合によっては巨大なビジネスチャンスに発展する可能性を秘めた取引です。また、バーター取引は、物と物、商品とサービス、を交換することで商談が成立するため、金銭のやり取りが発生しないため税金対策にもなります。
バーター取引にはいくつかのデメリットもあります。まず、相手方の商品やサービスが自社に必要ない場合、無駄な在庫を抱えることになる点があげられます。次に、相手方の商品やサービスの相場観を知らない場合、損をしてしまう可能性もあります。さらに、取引先との信頼関係が築けていない場合、不公平な条件でバーター取引を強要される可能性も否定できません。また、バーター取引は通貨を介さず物々交換するため、現金で支払う場合よりも税務上の処理が複雑になることもあります。
バーター取引は、商品やサービスを交換する仕組みであるため、必ずしも同じ価格で交換できるとは限りません。商品やサービスの相場観を知らないと、場合によってはバーター取引で損をしてしまう可能性もあるため注意が必要です。また、バーター取引を行う際には、双方の合意が取れた上で行うことが重要です。バーター取引には上記のようなデメリットも存在しますが、適切に活用すれば有効なビジネス手段として利用できるでしょう。