リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)が転職支援サービス「リクルートエージェント」のデータから管理職の採用動向をまとめたところ、これまでは社内昇進が中心だと思われていた管理職登用だが、今では、外部労働市場から管理職を迎え入れるケースが増加していることが明らかとなった。
2016年度を1としたときの管理職の求人は2022年度で3.67倍になっており、コロナ禍で新規の求人が落ち込んだ中でも、管理職求人は減少しなかった。
管理職求人の近況についてリクルートでは「注力事業に外部人材を起用するだけでなく、新しい事業領域への転換のために、自社にないノウハウを持った外部人材を管理職登用する動きも出ている」と分析する。
【管理職求人の推移】(2016年度を1とする)
2016年度 1
2017年度 1.31
2018年度 1.52
2019年度 2.30
2020年度 2.19
2021年度 2.95
2022年度 3.67
業界別に、管理職求人の推移を見てみると、2016年度を1としたときに 2022年度で最も伸びているのはIT通信業界で4.71となった。次いで建設・不動産業界で4.44。
リクルートが注目したいとするのは「電気・電子・機械業界メーカー」。「比較的日本型雇用の色が濃いと思われている製造分野だが、着実に管理職の募集も伸びている。製造業でも、新しい事業への参入や既存事業の変革の必要性の高まりを背景に、外部から管理職を採用する動きがある」とした。
【業界別 2022年度の管理職求人 トップ5】(2016年度を1とする)
IT通信業界 4.71
建設・不動産業界 4.44
インターネット業界 4.17
電気・電子・機械業界メーカー 3.55
消費財業界・総合商社 3.04