転職検討中の2024年新卒社員は38.2%で、そのうち半数がキャリアパスに不満を持っていることが就職情報会社キャリタスの調査で分かった。

2024年卒のキャリタス就活モニターだった入社1年目の社会人を対象に行った調査によると、現時点で「転職活動中」「転職活動はしていないが検討中」が4割弱(計38.2%)となっている。
入社1年後の転職意向の有無
卒業年度 | 転職は考えていない | 転職活動はしていないが検討中 | 現在転職活動中 |
2024年度 | 61.8% | 35.4% | 2.8% |
2023年度 | 57.0% | 39.3% | 3.7% |
2022年度 | 58.5% | 37.0% | 4.5% |
勤務先企業への満足度を聞いたところ、「転職は考えていない」と回答した人は平均80.1%で、「入社決定時」の平均83.0%と同じく8割を超えている。一方、「転職活動中・検討中」と回答した人は平均61.0%で、「入社決定時」の平均73.7%から10ポイント以上低下した。
「転職活動中・検討中」と回答した人の勤務先企業に対する不満は「キャリアパス」(50.0%)、「給与・待遇」(44.6%)、「教育・研修制度」(41.3%)が多い。
入社後に「思っていたほど成長できていない」と回答している社員が全体の32.6%あり、成長できていないと思う理由には「OJT担当が在宅などが多く、自由な働き方が逆に教育体制に悪影響」「忙しくて業務しかできず、自己研鑽できていない」「仕事量が少なく、ルーティンワークが多い」「「主に雑務しかしていない」「研修が多く、まだ実務に本格的に取り組めていない」「先輩社員に頼りすぎて、自分で考えて行動ができていない」などが挙がっている。
<キャリア形成・社員教育を強化する企業の取り組み>
- 新入社員の学び合い活動で自律的なキャリア形成を促進【旭化成】
- キャリア自律を促し、個の力を引き出す新たなスキル開発手法(導入企業:セガサミーホールディングス)
- 社員のキャリア自律を促し、高度専門人材の確保を急ぐ
一方、「転職活動中・検討中」と回答した人で勤務先企業に対する不満が少ない項目は、「勤務地」(22.0%)、「人間関係」(23.3%)、「有休取得」(24.0%)となっている。
<離職防止へ人事制度や研修を見直し>
「転職活動中・検討中」と回答した人の68.7%が「入社6カ月以内」に転職を考え始めている。「1年以内」に転職したい社員は18.0%だが、「未定」と回答している社員が39.3%いることから早期離職が増える可能性はある。
「入社1年目社員のキャリア満足度調査」の詳細はこちら
https://www.career-tasu.co.jp/press_release/11709/