アイデム
向後 利明 JOBRASS&Smart Division マネージャー
当社調べでは6月1日時点で1社以上の内定を獲得した学生は47.9%となり、昨年同時期の31.1%と比べ16.8ポイント増加しています。
さらに、内定を獲得した学生の5割近くは、複数社より内定を獲得していることからも、選考解禁が2カ月早まったとはいえ昨年に引き続き企業側の早期選考が目立ちます。
採用活動中の企業のうち5割以上が今年度の採用を「売り手市場だと感じる」と回答しており、総じて学生にとっては有利な就職活動といえるでしょう。
学生の企業規模志向は「大手企業志望」が5割を占め、内定獲得者の多くは「第一志望の企業の選考が終了していないから」「他にもっと自分に合う企業があるような気がするから」などの理由から就職活動継続中と回答していました。
今後、大手企業の選考結果次第で6月以前から内々定を出していた中小企業を中心に、内定辞退の増加が予想されます。
一方、企業は広報活動期間が短縮された影響を受けて、応募学生数の減少や選考のバッティングによる選考辞退など、多くの課題が生じました。
企業は、志望意欲を喚起するためのリクルーター面談や選考フローの短縮など、学生に配慮した選考スケジュールを組むことで辞退防止に努めることも重要です。
前述のとおり、6月以降の内定辞退の影響から、今後の応募者確保や辞退者が出た場合の補填採用など、採用戦略を練り直す必要が出てくる企業も多いでしょう。母集団形成がより難しくなる夏以降では、新卒紹介の利用やイベント参加など採用チャネルを増やすことも効果的な手段です。
特に新卒紹介においては短期間で効率的にマッチングを図りやすい点から、同時にインターンシップなど次年度の活動に動き出したい企業を中心に注目を集めることが予想されます。
また、まだ内定を獲得できていない学生においては、新しい活動方法に目を向け始めるタイミングです。企業・学生ともに短期間かつ効率的にマッチングを図るニーズが一層強まるでしょう。