【休日や休憩に】社会人なら読んでおきたい小説10選

仕事で忙殺されていると、次第に余裕がなくなって、心も疲れてしまいます。すると、仕事のモチベーションが上がらず、よいアイデアも浮かんでこなくなりがち。そんなときこそ、読書で世界を広げてみませんか?新社会人が読んでおきたい、おすすめの小説10作品をご紹介しましょう。

『何者』朝井リョウ(新潮社)

就職活動を目前に控えた大学生の拓人は、友人である光太郎のライブに足を運んだことをきっかけに、同じく就職活動中の男女5人でよく集まるようになります。最初は協力し合って就活対策をしていたのですが、やがてお互いのプライドや本音が見えてきて……。

第148回(平成24年度上半期)直木賞受賞作品で、就職活動や恋愛、友情、ソーシャルメディアといった現代の若者を取り巻く状況がリアルに描かれています。

『下町ロケット』池井戸潤(小学館)

『半沢直樹』シリーズを書いた池井戸潤氏の出世作で、テレビドラマ化もされた話題作なので、知っている人も多いでしょう。

宇宙科学開発機構の研究員だった佃航平が、亡くなった父の経営していた中小企業「佃製作所」の社長となったことから、社員たちと力を合わせて奮闘する姿が描かれています。

第145回(2011年上半期)直木賞受賞作品です。

『舟を編む』三浦しをん(光文社)

書店員の投票によって選ばれる本屋大賞の、2012年度大賞受賞作品です。

玄武書房に勤める馬締光也は、新しい辞書「大渡海」の編纂メンバーとして辞書編集部に異動になります。ところが編纂チームは個性的なメンバーばかりで、解決しなければいけない問題が山積み。果たして「大渡海」は出版できるのでしょうか。

馬締をはじめとする編纂メンバーそれぞれの人生が、辞書の編纂という仕事をとおして再構築されていく様を、三浦しをん氏が穏やかな筆致で綴っています。

『ハケンアニメ!』辻村深月(マガジンハウス)

女性誌「anan」で連載されていた、熱血お仕事小説。アニメーションの制作現場で働く人達が、作品作りに奔走する姿を生き生きと描いています。

プロデューサーの有科香屋子の尽力で、天才といわれる王子千晴監督が9年ぶりに挑むアニメ『運命戦線リデルライト』。同時期に、期待の新人監督・斎藤瞳の『サウンドバック 奏の石』も放映となります。

そこに絡んでくるのは、人気アニメーターの並澤和奈と、聖地巡礼で地元の活性化を狙う公務員の宗森周平。果たして、今期アニメ界の覇権をとるのはどちらの作品!?

『想像ラジオ』いとうせいこう(河出書房新社)

DJアークこと芥川冬助が、杉の木の上から想像力の中だけで発信し続けるラジオ。想像力の中でだけ聞こえるラジオ。

東日本大震災をきっかけに書かれた小説で、生者の世界と死者の世界を自在に横断しながら物語が展開します。災害など不慮のできごとで亡くなった方のために、生きているものはいったい何ができるのか、何を伝えていかなければならないのか。

感動作ではありますが、考えさせられる作品でもあります。

『阪急電車』有川浩(幻冬舎)

片道15分という、ごく短いローカル電車の中に乗り合わせた人々の、ごく小さな物語の数々。さまざまなドラマを乗せて、電車は今日も走り続けます。

阪急電鉄を舞台にしたオムニバス形式の小説で、ひとつひとつのエピソードが織り上げられ、大きなひとつの物語となっていきます。

読後感もよく、短い休憩時間などに気軽に手に取れる作品です。

『新世界より』貴志祐介(講談社)

舞台は、呪力と呼ばれる超能力で文明が営まれている、千年後の日本。徹底的に管理され育てられている子供たちは、大人になる過程で隠された社会システムの歪さを知ってしまいます。そのとき彼らは、どんな道を選択するのでしょうか。

全3巻で展開される、SFホラーの傑作です。練り上げられた世界設定の中、怒濤の勢いで物語が進んでいくので、あっという間に読んでしまいます。そして最後には、考えさせられることも。

『消滅世界』村田沙耶香(河出書房新社)

世界大戦をきっかけに人工授精が一般的になり、セックスで子供を作ることは野蛮だと考えられるようになった架空の日本。そんな世界で、父と母の〈交尾〉によって生まれた主人公の雨音は、両親とは違う清潔な家族を築こうとします。

不必要にドラマチックにすることなく、静かな筆致で淡々と綴られる描写が、妙にリアリティを感じさせます。セックスが一般的でなくなった世界を描くことで、現代社会がかかえる問題や、未来への不安や恐怖を想起させるような問題作です。

読み終わった後、考えさせられることも多いのでは。

『永遠の0』百田尚樹(講談社)

百田尚樹氏のデビュー作にして、映画化や漫画化もされた人気作。

司法試験浪人を続ける主人公の健太郎は、フリーライターをしている姉の慶子からの依頼を受けて、戦争で亡くなった祖父について調べることに。さまざまな関係者の証言から、凄腕の零戦乗りだった祖父が抱えていた思いと、隠されていた真実が明らかになります。

ちょっと重めのテーマを扱っていますが、感動間違いなしの傑作です。

『拝金』堀江貴文(徳間書店)

数々のビジネス書を上梓している、ホリエモンこと堀江貴文氏が書いたビジネス小説です。

年収200万円のフリーターが、堀井健史という正体のしれない謎の人物と関わったことから、大きく運命を変えていきます。

フィクションとはいえ、ライブドア事件を背景に描かれているので、現実社会で起きたできごとと重ねて読むと、さらに面白いかも。

何も持っていなかった若者が、身ひとつでIT業界をのし上がっていくスピード感も心地よく、ある種の青春小説としても楽しめます。

読書が思わぬ会話のきっかけになることも

上記の10作品以外にも、話題になった作品があれば目を通しておきたいものです。それが取引先との話のきっかけになり、思わぬ成果が上がる場合もあります。

また、本を読むことでさまざまな世界を知ることができ、人生が豊かになることでしょう。

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