顛末書とは、不祥事や問題が発生した際に、その経緯や対応の過程を記録する文書のことを指します。具体的には、何が起こったか、いつ、どこで、誰が関わったか、その後どのような対応がされたか、今後どのような改善策が取られるかなどが記載されます。また、誰が作成したかや承認したか、いつまでに提出しなければならないかなどの情報も含まれます。
たとえば、社用車に乗務中に事故を起こした場合、会社によっては顛末書の提出をする場合があります。この際、顛末書には、事故の発生日時、発生場所、発生原因、損傷箇所、相手の怪我の状況、当事者の怪我の状況、今後の対策、直属の上司の見解、管理職の見解などを、事細かに記入する必要があります。さらに、相手側からの主張や反論、今後の対応策なども記録することが望ましいでしょう。これによって、トラブル解決の処理が円滑に進むことを期待できます。
顛末書を作成する場合、次のような注意点があります。まず、記載する内容は、感情的にならず、できるだけ事実に基づいて正確かつ客観的に書くことが大切です。それを担保するために、関係者からの証言や証拠資料を収集し、矛盾のないように整理する必要があります。
また、書式や言い回しにも注意が必要です。一般的に、顛末書は事実を詳細に伝えることが重要であるため、箇条書きや省略は避けることが望ましいでしょう。また、書式についても、業界や企業によって異なるため、必ずしも一律ではありません。そのため、企業内のルールに従い、書式についても確認する必要があります。
なお、顛末書は、あくまでも記録のための書類であり、法的な効力はありません。トラブル解決のための証拠資料として使用されることがあり、裁判で顛末書の記載内容が考慮された判例も存在しています。そのため、作成者は法律上の責任を負うこともあるため、正確性や客観性、詳細性を重視し、慎重に作成することが必要です。 また、顛末書は記録のための書類であるため、作成するタイミングも重要です。出来事が起きた直後や、記憶が新しいうちに作成することで、正確な記録ができます。時間が経ってから作成する場合には、記憶が曖昧になることがあるため、注意が必要です。