「フラッグシップ」とは、もともとは「旗艦」を意味する言葉であり、司令官の乗船している艦船のことを指します。英語では電子機器に限らず、同じ種類のもののうち、もっとも優れたもの、もっとも重要なもの」という意味で用いられます。日本語では、企業が製造する商品やブランドの中で最上級や最高級のものを指すことが多く、「フラッグシップモデル」「フラッグシップ店（旗艦店）」「フラッグシップカー」などがあります。また、「フラッグシップショップ」という言葉は、そのグループ内で最も重要な店舗を指すことがあります。
企業においては、フラッグシップ商品やブランドは、その企業を代表する存在であり、顧客にアピールするために重要な役割を担っています。たとえば、アップル社の「iPhone」や、トヨタ自動車の「プリウス」などがその代表例です。
フラッグシップを持つことには、いくつかのメリットがあります。まず、フラッグシップが強いブランド価値を持つ場合、それが企業全体のイメージアップにつながります。また、フラッグシップ製品が高い品質や性能を持っている場合、顧客にとってそのブランドの価値が高くなり、他の製品にもその価値が波及することがあります。結果的に、企業の業績の向上も期待できます。
一方で、フラッグシップを持つことにはデメリットもあります。具体的には、フラッグシップによる収益の大部分が、その製品に依存することになるため、競合他社の製品との比較で不利になった場合や、環境変化によって需要が減少した場合など、製品に問題が生じた場合には、企業全体のリスクにつながります。
また、フラッグシップ商品に注力することで、その商品に対する依存度が高くなります。このため、フラッグシップ商品が失敗した場合には、自社で扱っている他の商品の信頼を失うことにもつながり、結果的にビジネス全体に大きな影響を与える可能性があるため、リスクマネジメントも重要です。
したがって、フラッグシップを持つ企業は、常にその商品やサービスの強化に努めるとともに、他の商品やサービスも育成してバランスをとることが重要です。フラッグシップ商品を売り出す場合には、商品自体の品質や機能には十分な注意を払い、消費者を失望させないようにする必要があります。
