フォローアップとは、一度とった行動(学習や指導など)に対して、ある程度時間が経った後に再度行動することを指します。一度だけの行動では忘れてしまうことも多いですが、フォローアップすることで知識をはじめ、技術の定着を図ることを目的としています。
たとえば、何かを勉強した後に復習することは、フォローアップの代表例といえるでしょう。企業活動においては、マネージャーがスタッフに指導したことを再確認したり、営業が見込み顧客との商談後に再度連絡したりすることが、フォローアップの具体例です。
近年では、新人研修が終わった新入社員に対してフォローアップ研修を実施する企業が増えています。大きな目的は、新規学卒者の離職を防ぐためです。厚生労働省が発表した「新規学校卒業就職者の在職期間別離職状況」によると、令和3年3月における高校卒業者の1年目離職率は16.6%であり、短大等卒業者の1年目の離職率は18.3%、大卒者の1年目の離職率は12.2%となっています。さらに3年目までの離職率は、それぞれ30%~40%にもなります。
高い離職率は、企業にとってコスト増の要因のひとつといえるでしょう。そのため、新入社員に対して継続的なフォローアップをおこなうことで、定着率を高めることが求められています。
フォローアップの具体例としては、メンターをつけることやフォローアップ研修を実施することがあります。さらには直属の上司との1on1ミーティングはもちろん、人事面談で新入社員の意見を聴くことも含まれます。入社から四半期後、1年後など定期的にフォローアップする機会を設けることで、社員の離職率を下げて、組織の人材を定着させることを心がけましょう。
また、フォローアップによって得た情報は、他部署を含めた全社的な改善活動に役立てると、フォローアップによる人材育成効果が高まります。
さらに、フォローアップする側の管理職層に対して、コミュニケーション研修やキャリアプラン作成研修など、部下を適切にフォローアップするための知識をつけさせることも重要です。企業全体としてフォローアップの文化を根付かせることが、社員の定着率向上につながります。