ガクチカ

ガクチカとは就職活動を行う学生たちがよく使う若者言葉です。エントリーシートの質問や面接の時に聞かれる「学生時代に力を入れたことを教えてください」や「学生時代に頑張ったことは?」を略して「ガクチカ」と呼ぶようになりました。就活生の会話で「ガクチカ、何て答えるか考えた?」という具合に使われますが、採用する企業側が「ガクチカについて聞かせてください」とはあまり使いません。ただ就職情報サイトなどが「ガクチカ対策」を特集するようなこともあり、世間的にもある程度定着しているといえるでしょう。

エントリーシート(ES)を書こうとして「わたしガクチカが何もない」と悩む学生が少なくありません。「学生時代に力を入れたこと」を考えるにあたりサークルやアルバイトなどで特筆するような経験がないと陥りやすいケースです。このところコロナ禍でそうした経験をする機会が減ってしまい、さらに悩む学生が増えています。ただ企業側はこの質問で特別な経験をしたかどうかが知りたいわけではありません。たとえば学生の志望動機や自己アピールと同じように、それを通して「物事に取り組む意欲」や「コミュニケーション能力」など特徴や長所を知ることにより、自社にとって戦力となるかポテンシャルを判断したいのです。

“ガクチカ”は部活やバイト、学習塾、趣味などいずれにしろ頑張ったことを話さなければならず、敢えて就活のためにボランティア活動をするなどしてエピソードを作る学生までいるようです。近頃は「ガクチカの例文」まで登場しており、企業側もそこから何を読み取るのか対策を講じていますが、こうした傾向によって学生の能力を引き出す機会につながる可能性もあります。 学生たちが“ガクチカ”を書くために「自己分析」する必要性に気づき、いわゆる「人生グラフ」「モチベーショングラフ」を描く手法を取り入れることが増えているからです。この手法は新入社員研修などでもおこなわれており、就職前から自主的にそれを経験していることは企業にとってプラス要因といえるでしょう。企業側もエントリーシートや採用面接に際して“ガクチカ”の用い方に工夫を凝らすことによって、就活生のポテンシャルを引き出す必要があるかもしれません。

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