KSFは「Key Success Factor」の頭文字からなる略語で「重要成功要因」を意味します。企業が経営戦略を成功させるには何が必要かを示すもので、市場における売り手と買い手の動向、新たな企業の参入や競合の撤退など「外部要因」と自社の強みを活かすために必要な「内部要因」があります。外的環境分析と内的環境分析によって事業が成功する可能性を見極めるわけですが、KSFは環境によって変化するため一度設定したら終わりではなく継続的に行わなければなりません。
KSFを進めるにあたってはKGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)を合わせて考えると流れが見えやすくなります。KGIは「重要目標達成指標」のことで最終的な目標を具体的に数値で示します。たとえば「販売数を大幅アップする」といった抽象的な目標ではなく、「上半期6月末までに販売数○台を達成する」というように設定します。そのKGIを達成するようにKSFで分析して「商品の宣伝」、「販売価格の検討」など成功要因を抽出します。KPIは「重要業績評価指標」のことで、KSFにもとづいて「新商品の広告○本をGW前から掲載」、「値下げキャンペーンで上半期の来店者数○○人を達成」などKGIを達成するための具体的な施策を設定します。
またKSFを抽出する段階で論理的思考に適した「フレームワーク」(思考の枠組み)を用いると効果的です。さまざまなフレームワークがあり「3C分析」は、Customer(顧客)→Competitor(競合)→ompany(自社)を分析して戦略を立てるものです。「SWOT分析」(スウォット分析)は、内部環境のStrength(強み)、Weakness(弱み)と外部環境のOpportunity(市場機会)、Threat(脅威)から事業の課題を見つけるのに役立ちます。「PDCA」は、Plan(計画)→Do(実行)→Check(検証・評価)→Action(改善)のプロセスを回し続けることにより商品やサービスの品質管理を向上させるフレームワークで、マネジメントシステムの基本的な考えとして知られます。
またKSFとよく似た用語にCSF(Critical Success Factor)があります。CSFは「重要成功要因」と訳し、考え方も近いためKSFとほぼ同義語として用いられます。