リテンション

リテンションとは維持を意味し、雇用した人材の流出対策や獲得した顧客を維持する施策を検討する際にもちいられる言葉です。人事業界で使われるリテンションは人材の維持を意味しており、人材の流出対策として報酬体系の見直しや労働環境の改善がおこなわれます。マーケティング業界で使われるリテンションは顧客の維持を意味しており、既存顧客への継続的な情報提供やリピート販売などが対策として実施されます。

人事業界においてリテンションが重要視されるようになった理由としては、労働人口の減少が挙げられます。少子高齢化により企業で働く人口は年々減っており、どの業界でも労働者確保が大きな課題となっています。人口の減少だけでなく、経済のグローバル化によって海外への人材流出が進んでいるため、国内の労働人口の減少は今後も続くことが予想されています。そのため企業としては、できるだけ多くの人材を確保し、確保した人材にできるだけ長く働いてもらうための対策を講じる必要があります。

また、インターネットの広がりから、転職などで労働者の就業がより流動的になったことも、リテンションが注目されるようになった要因の一つです。人材が流動的になることで、企業の運営ノウハウや技術的な知識を備えた優秀人材が流出しやすくなるため、他社に対する自社の優位性が低下することが懸念されています。そのため自社への貢献度が高い人材を確保するために、企業は職場の環境改善や労働条件の見直しなど、リテンションに積極的に取り組む必要があります。

企業がリテンションを実施するメリットとしては、従業員のモチベーション維持や採用コストの抑制、優秀人材やノウハウの確保などがあります。リテンションは従業員が継続的に自社で働きたいと思ってもらうための施策です。労働環境や報酬体系の見直しがおこなわれれば、仕事へのやりがいをみつけられるため、モチベーション維持に貢献してくれます。

また、従業員が離職せずに長く働いてくれれば、採用コストや教育コストを抑えることができるため、コストダウンにもつながるはずです。特に、事業運営への貢献が高い優秀人材が長く自社で働いてくれれば、事業ノウハウのさらなる蓄積にもなることでしょう。

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