シエスタ

シエスタとは昼食後の集中力を回復させるために、休憩時間を延長する制度のことをいいます。もともとシエスタは、日照時間の短いスペインで生まれた習慣です。昼食の時間が日本よりも遅いスペインでは、午後2時〜午後5時までを昼休憩とし、昼寝をしたり家族と過ごしたりする時間として使う人も多いようです。シエスタ制度を導入すると休憩時間が長くなり、昼寝ができることから「昼寝制度」としても知られています。延長した休憩時間に昼寝をしなくても、シエスタと呼ぶことに変わりありません。

シエスタ制度を導入する目的は、昼食後の眠気対策や疲労回復のために昼寝をし、午後の生産性を高めることです。10〜20分程度の短い昼寝は、集中力や体力の回復に効果的といわれており、生産性向上を図るためにシエスタ制度を導入する会社が増えています。シエスタの時間の過ごし方は、導入している企業のルールによって異なりますが、昼寝をする以外にマッサージやジム、映画を見に行くことを許可している企業もあるようです。またフレックス制度とシエスタ制度を同時に導入すれば、多様な働き方に柔軟に対応できるようになります。

メリットの多いシエスタ制度ですが、デメリットになることもあります。昼寝を長くしすぎて逆に頭がはたらかなくなる、体内時計が狂って夜に眠れなくなるなど、昼寝を効果的に活用できないケースです。昼寝は10分〜20分程度するのが理想的といわれており、30分以上昼寝してしまうとかえって気だるさを感じることがあります。

またシエスタ制度で休憩時間を長く取るために、退勤時間が遅くなることもデメリットのひとつです。退勤後にプライベートの時間が取れない、就寝時間が遅くなるといったストレスにつながることもあります。

海外の企業ではシエスタ制度を導入している企業も多く、日本の企業でも生産性向上と従業員満足度向上のために導入する企業が増えています。シエスタ制度を導入するには休憩時間を延長して、退勤時間を遅くすることで導入が可能です。

たとえば所定の労働時間が9時〜18時であれば、9時〜20時に変えて3時間の休憩を取れます。シエスタ制度を導入するにあたり、従業員が少ない企業などでは課題も多いのが現状です。しかしシエスタ制度を上手に活用できれば、生産性向上や働きやすい環境づくりにも効果を発揮するでしょう。

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