人材採用

新卒採用意欲が回復、初任給の引き上げも進む見通し

2023年卒の採用を増やす予定の企業が多くなっていることが、リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)の「ワークス採用見通し調査」で明らかとなった。

新卒採用意欲が回復、初任給の引き上げも進む見通し

23年卒の大学生・大学院生を対象とした新卒採用見通しは、「増える」企業が22年卒の7.7%から10.9%に増加した。

一方、「減る」企業は22年卒の11.6%から3.9%に減少し、比較可能な2011年卒以降では最も少ない。

22年卒では「減る」が「増える」を上回ったが、23年卒は採用を増やす企業が多くなる見通しだ。

全ての従業員規模で「増える」が「減る」を上回った。従業員規模が大きいほど「増える」の割合は高く、5000人以上の企業では「増える」が21.4%となっている。

【従業員規模別 2023年卒学生の新卒採用の見通し(大学生・大学院生)】
1000人未満  増える8.5%、減る4.0%
1000~1999人 増える16.9%、減る3.3%
2000~4999人 増える17.6%、減る2.8%
5000人以上  増える21.4%、減る6.3%

また、全ての業種で「増える」が「減る」を上回り、 飲食店・宿泊業(18.9%)、情報通信業(14.7%)、小売業(14.7%)などで採用を増やす企業が多い。

【業種別 2023年卒学生の新卒採用の見通し(大学生・大学院生)】
建設業        増やす11.3% 減る4.2%
製造業(機械以外) 増やす12.2% 減る3.3%
機械器具製造業   増やす13.9% 減る3.3%
情報通信業     増やす14.7% 減る3.8%
運輸業       増やす6.6% 減る2.6%
卸売業       増やす7.8% 減る4.4%
小売業       増やす14.7% 減る6.6%
金融・保険業    増やす7.2% 減る5.5%
飲食店・宿泊業   増やす18.9% 減る4.9%
医療・福祉     増やす3.7% 減る2.7%
サービス業(他に分類されないもの) 増やす10.2% 減る4.2%

初任給の引き上げについては、「既に取り組んでいる」企業(21.8%)、「今後取り組む予定である」(22.7%)となり、4割以上の企業で初任給の引き上げが進む。

特に、飲食店・宿泊業は「今後取り組む予定である」企業(29.2%)が最も多く、リクルートは「コロナ禍収束後の人手不足を見据えて、初任給の改善に意欲的であることがうかがえる」と分析している。

一方、金融・保険業は「今後取り組む予定である」企業(16.5%)が最も少ない。

調査は、2021年10月6日~11月10日、従業員規模5人以上の全国の民間企業7200社を対象に電話・FAXで実施し、4519社の回答を得た。

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