組織・人事

5割超の企業で賃金改善の見込み、ベア予定の企業は過去最高水準

帝国データバンクが実施した「賃金動向に関する企業の意識調査」によると、2022年度の正社員の賃金改善が「ある」と見込む企業は2年ぶりに5割を上回っていることが明らかとなった。

賃金

2022年度の企業の賃金動向について聞くと、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引上げ)が「ある」と見込む企業は54.6%となり、2年ぶりに5割を上回った。

一方、「ない」と回答した企業は19.5%と前回調査(28.0%)から8.5ポイント低下した。

賃金改善の状況について企業規模別にみると、「大企業」、「中小企業」、「小規模企業」の3規模全てで、前回調査の2021年度見込みから賃金改善見込みの割合が上昇していた。

【規模別 賃金改善が「ある」割合】
大企業 51.1%(2021年度見込み38.2%)
中小企業 55.4%(同42.9%)
小規模企業 37.0%(同46.7%)

業界別にみると、「製造」(59.7%)が最も高く、「建設」(57.2%)や「サービス」(54.0%)が続いている。

【業界別 賃金改善が「ある」割合】
農林水産 51.4%(2021年度見込み44.7%)
金融 32.5%(同25.2%)
建設 57.2%(同47.8%)
不動産 40.0%(同31.5%)
製造 59.7%(同44.7%)
卸売 53.4%(同39.7%)
小売 49.8%(同42.0%)
運輸・倉庫 48.5%(同36.7%)
サービス 54.0%(同40.4%)

賃金改善の具体的な内容をみると、「ベースアップ」が46.4%(前年比10.5ポイント増)、「賞与(一時金)」が27.7%(同7.4ポイント増)となり、それぞれ増加した。「ベースアップ」は2019年度の45.6%を上回り、調査開始以降で最高の水準となった。

2022年度に賃金改善が「ある」と回答した企業の理由は、人手不足などによる「労働力の定着・確保」が76.6%(複数回答、以下同)と最も多かった。次いで「自社の業績拡大」(38.0%)、「物価動向」(21.8%)、「同業他社の賃金動向」(18.4%)、「最低賃金の改定」(17.9%)が続いている。

2022年度の自社の総人件費が2021年度と比較してどの程度変動すると見込むかを聞くと、「増加」を見込んでいる企業は67.1%と2021年調査から12.9 ポイント増と大幅に増加した。

一方、「減少」すると見込む企業は 8.7%(前年比7.0ポイント減)となった。

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