コロナ禍の雇用管理Q&A ワクチン接種、配置転換、人員削減の留意点

令和2年1月、国内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されて以降、国内での感染は拡大し、我々の生活に大きな影響を与えているところです。新型コロナウイルス感染症の拡大は、当然雇用管理の場面においても極めて大きな影響を及ぼしており、厚生労働省では、「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」を公開し、新型コロナウイルス感染症を巡る雇用管理に関する考えを整理しています。

我々弁護士も、日々、企業の方から、新型コロナウイルス感染症を巡る雇用管理に関する相談を受けていますが、その相談内容は、感染の進行状況や緊急事態宣言の発出、ワクチンの登場等、新型コロナウイルス感染症に関する国内外の状況によって、少しずつ異なってきています。

新型コロナウイルス感染症の発症が国内で確認された後、感染が爆発的に拡大していた頃には、テレワークの実施や社内での感染防止対策等、コロナ禍の初期対応についての相談が急増しました。さらに、緊急事態宣言が発出されると、宣言下での社内外での飲食に対する対応方針や、実際に新型コロナウイルス感染症に罹患したり、濃厚接触者となった従業員の取扱い(特別休暇の付与や出社を制限した場合の休業手当の支払等)等についての相談が寄せられるようになりました。その後、ワクチン接種が始まった頃には、ワクチン接種に対する休暇の付与や、接
種の義務付けの可否等が相談のトレンドになった印象です。

また、緊急事態宣言発出後は、経済活動にも大きく影響があり、業績悪化に伴う整理解雇やシフト変更(出勤日の減少)の問題や、残業が減少したことに伴う固定残業代制度の廃止等の相談も受けています。

最近では、ある程度ワクチン接種が進んだ状態であることを前提として、ワクチンを接種していない従業員に対する対応や、テレワーク制度が浸透して在宅勤務が原則となったことにより新たに生まれた問題等の相談も増えている印象です。

本誌では、コロナ禍における雇用管理に関して、最近比較的多く寄せられる相談について、一般的な考え方を整理していきたいと思います。なお、実際に各社において発生した問題については、具体的な事実関係や背景事情によって対応方針も異なりますので、あくまで一般的な考え方として参照頂ければと思います。

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