出勤日数が「0日」としたテレワーカーの割合21.2%、テレワークが廃止・制限されたら退職を検討する人は16.4%

テレワークの開始にあたって、テレワーク運用方針の明確化(就労規則やガイドラインの策定、変更)がなされた企業は7割を超えることが日本生産性本部が実施した「テレワークに関する意識調査」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

管理職を対象に、テレワークの開始にあたって新たに導入もしくは変更された制度や取り組みについて聞くと、「テレワーク運用方針の明確化(就労規則やガイドラインの策定、変更)」が74.8%と最も多く、「コミュニケーションツール(ビデオ会議ツールやチャットツールなど)の導入」(71.6%)、「情報セキュリティ対策」(66.8%)、「ネットワーク環境、PCや通信機器などの提供」(66.5%)が続いた。これら4項目は約2/3の回答者の組織で導入・変更されたことがわかる。

【テレワークの開始にあたって新たに導入もしくは変更された制度や取り組みトップ5】
テレワーク運用方針の明確化 74.8%
コミュニケーションツールの導入 71.6%
情報セキュリティ対策 66.8%
ネットワーク環境、PCや通信機器などの提供 66.5%
労働時間の管理の新規導入、変更 53.9%

また、35%以上の管理職が「テレワークの進捗状況や成果を管理、評価するための制度の導入」(36.2%)、「テレワークに必要なスキルや知識取得のためのトレーニング、研修の提供」 (35.7%)について、「導入・変更されていないが必要だと思う」と回答し、課題視している。

テレワークを行っている部下に対する労務管理上の視点から、管理職が留意している点を聞いたところ、「仕事の成果を適切に評価できているか」が77.5%と最も多くなった。続いて「指導やサポートが適切に行えているか」(74.0%)、「勤務時間が規定に沿っているか」(72.8%)となっている。

いずれの項目も2/3以上の回答者が「留意している」と回答しているが、その中で「健康管理ができているか」が68.5%と、他の項目に比べてやや少ない結果となった。

テレワーカー、管理職の双方に直近1週間の勤め先への出勤日数を聞くと、「2日以内」である回答者は、テレワーカーは54.5%と半数を超えた一方、管理職は47.1%と半数を下回った。どちらも「5日以上」とする回答者は2割弱となっている。

直近1週間の勤め先への出勤日数が「0日」と回答したテレワーカーの割合は21.2%であったのに対し、管理職は9.8%と少ない。

【テレワーカー 直近1週間の勤め先への出勤日数】
0日   21.2%
1~2日  33.3%
3~4日  27.0%
5日以上 18.5%

【管理職 直近1週間の勤め先への出勤日数】
0日   9.8%
1~2日  37.3%
3~4日  33.7%
5日以上 19.2%

勤め先のテレワークが廃止・制限されたとき、テレワーカーの58.7%、管理職の64.1%が「今の勤め先で継続して働く」と回答した。一方、テレワーカーの24.9%、管理職の26.3%が「今の勤め先で継続して働くが、時短勤務など働き方の変更を検討する(検討した)」と回答、テレワーカーの16.4%、管理職の9.6%が「退職・転職を検討する(退職・転職した)」と回答した。

テレワーカー対象の調査は、2023年5月29日~6月6日、テレワーク制度を有する日本の企業・団体に雇用されている人のうち、20歳以上で、管理職ではなく、自身が直近3か月にテレワークを実施している1000人を対象にインターネットで実施した。

管理職対象の調査は、2023年5月29日~6月6日、テレワーク制度を有する日本の企業・団体に雇用されている人のうち、20歳以上の管理職(課長相当職)で、自身が直近3か月にテレワークを実施している1000人を対象にインターネットで実施した。

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