全就業者のうち17.4%がワーケーションの経験があることが、パーソル総合研究所(東京・港、萱野博行社長)が実施した「ワーケーションに関する定量調査」で明らかとなった。ワーケーション経験者のうち14.1%は「隠れワーケーション」であった。(文:日本人材ニュース編集部)
全就業者の17.4%が、「日常生活圏外の場所で仕事と自分の時間を過ごした」経験(=観光庁の定義に基づくワーケーション)を行ったことがある。
個人ワーケーションの内訳をみると、家族旅行中に仕事をする「他社奉仕タイプ」が41.7%と最も多く、次いで、仕事と余暇のどちらも重視する「仕事・観光充実タイプ」が25.7%、やるつもりのなかった旅行中に仕事をする「仕事浸食タイプ」が13.3%などとなった。
【個人ワーケーションの内訳】
家族旅行中の仕事「他社奉仕タイプ」 41.7%
仕事と余暇のどちらも重視「仕事・観光充実タイプ」 25.7%
やるつもりのなかった旅行中の仕事「仕事浸食タイプ」 13.3%
リラックスしながら仕事に集中「息抜き集中タイプ」 10.4%
帰省中、用事前後の仕事「動機低めタイプ」 8.9%
ワーケーション経験者(無自覚含む)のうち14.1%が他のメンバーに隠れてワーケーション(隠れワーケーション)を行っている。特に、「息抜き集中」「仕事浸食」「動機低め」タイプは、5人に1人が隠れワーケーションを行っている傾向だった。
【ワーケーションの報告状況】
他のメンバーに隠していた 14.1%
他のメンバーに隠していないが伝えていなかった 23.9%
一部のメンバーに伝えていた 13.0%
他のメンバーに伝えていた 49.0%
ワーケーションを容認している企業(と認知されている割合)はおよそ半数(54.8%)となった。残りの半数は、ワーケーションの方針が出ていないか、禁止されている中でワーケーションを行っている。企業がワーケーションを容認している方が、隠れワーケーションは発生しにくい傾向だった。
【自宅や勤務地以外で働くことの企業方針】
原則容認 31.7%
条件付き容認 23.1%
未方針 20.5%
方針不明 19.9%
原則禁止 4.8%
パーソル総合研究所では、「ワーケーションというものを広い意味合いで捉え、適切なガイドラインを設け、就業者の動きを適切に調整することが、企業にとっての”みえないリスクの軽減”にもつながる」と指摘する。
調査は、2023年6月5日~13日、全国の20~69歳男女就業者(勤務先従業員人数10人以上)を対象に実施した。(直近半年未満のワーケーション経験群3500人、ワーケーション未経験群1000人)