【著者が語る】社長が代わると、どうして人事制度が変わるのか?

グローセンパートナー 吉岡 利之 ディレクター

グローセンパートナー
吉岡 利之 ディレクター

【PROFILE】法律系出版社ぎょうせいに入社。官公庁向け書籍の編集者を経て、協力印刷会社の業務指導・品質指導に関わる。その後、 独立系コンサルティング会社や外資系コンサルティング会社ベリングポイント(現PwCコンサルティング)にて、一部上場企業から中堅・中小企業に至るまで、数多くの組織・人事戦略立案や人事制度構築・運用、研修、社員アセスメントなどに携わる。 クライアントの業績向上や社員の活性化に一層踏み込んだ支援を行うべく、グローセンパートナーに参画。現在、人事制度構築・改革事業を主に担当。 中小企業診断士。

人事制度の導入・運用支援を専門として数多くの会社に対してコンサルティングを行ってきましたが、その中で強く感じているのは「どの会社にも通用するようなベストな手法はない」「基本となる考え方を理解せずに設計すると失敗する」という点です。

しかし、書店に行くと、人事制度関連の書籍は、難しい設計実務書か著者が推奨する手法について述べられているものばかりが並んでいます。分かりやすく人事制度の基本が理解でき、実際の設計を行う際のポイントまで押さえられる、要は人事制度構築・運用に携わる方向けの“入門書でありながら実践的な本”ができないかという思いから、本書を執筆しました。

“人事制度は経営戦略を浸透させ、経営課題を解決するツール”です。一般的な、××主義が悪くて○○主義の制度に転換すべきといったような議論は全く意味がなく、自社の経営戦略や課題に合わせた制度構築をすべきというのが本書を貫く主張です。

経営戦略や経営課題が「主」であり、人事制度は「従」という関係なので、戦略や課題が明確でないのに人事制度を構築・改定しても何も効果がありません。一方で、戦略や課題が明確で、基本的な考え方を押さえた上で設計・改定を進めれば、戦略達成・課題解決を後押しする効果が期待できます。

とはいえ、主張よりも実際にどうすればいいのかというのが読者にとって気になるはずですので、戦略と連動させやすい制度の設計方法や、よくある課題に対する解決方法についても踏み込んで説明しています。また、よりイメージを持てるように事例を多用しています。専門用語が多く、概念的な議論も多いため、入門書とはいえ難しい内容になってしまうのが難点です。

そこで、各節に「コンサルタントのミニ解説」という注記をつけ、用語の解説や補足情報を付け加えることにしました。中には、飽きがこないように息抜きのための小話や、世間で言われていることとは異なる“斜め目線”のコラムも載せています。本書が人事制度の基本の理解につながり、人事制度構築や改定をする際に役立てば幸いです。

グローセンパートナー

吉岡利之 著
公益財団法人日本生産性本部 生産性労働情報センター
1,500円+税

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