ヒューマンタッチ(現ヒューマンリソシア)
髙本 和幸 代表取締役
4月の「建築・土木・測量技術者」の有効求人倍率は4.92倍(前年同月比0.82ポイント上昇)と23カ月連続の上昇となり、深刻な建設技術人材の不足が続いています。
この背景には、東京五輪に向けて建設技術人材への旺盛な需要が続く一方、建設技術者として働きたい人は減少し続けているということがあります。
「建築・土木・測量技術者」の有効求職者数は2010年以降6年連続で前年割れで、人材の供給不足は深刻な状況です。
このような厳しい人材不足の中での建設技術者の転職動向を当社のデータから見ると、転職者の中心は40代の即戦力のベテラン技術者になっています。
一方、20代の若手の転職者数は比率としては少ないですが、前年からの増加率は高くなっており、建設業各社は若手技術者の確保に力を入れていると思われます。
職種別にみると、建築・土木の設計職、設備管理・施設管理職、設備系の施工管理職の転職者が多くなっています。
当社が実施した、建設技術者として転職を考えている人を対象としたアンケート調査によると、転職する際に重視する点で最も多かったのは、「給与・勤務地」(80%)でしたが、次いで、「職種・仕事内容」(72%)、「勤務時間・残業時間」(42%)、「休日・休暇」(40%)となり、転職者は、給与アップはもちろんですが、自分に合った仕事内容、ワークライフバランスの向上を求めていると考えられます。
厳しい人材不足の環境において採用活動を成功させるためには、まずは、従来型の待ちの採用戦略だけに頼るのではなく、求人サイト、求人検索エンジン、人材紹介会社、リファラル・リクルーティング等、様々な手法を組み合わせて採用戦略の多様化を図ることが重要だと考えます。
また、ワークライフバランスの向上を図るために、週休2日制の導入や残業の削減などの労働環境の整備・向上を推進することもあわせて重要になります。