【新卒採用】面接開始時期を早めた企業が4割、応募不足を補う追加策にも注力

新卒採用

ディスコ
駒形 一洋 キャリタス就活 編集長

企業の採用活動は苦戦、活動の早期化が顕著

当社が企業に対し採用戦線序盤の感触を調査したところ、多くの企業が苦戦を強いられている様子が明らかになりました。

ここまでの採用活動について、「苦戦している」と回答した企業が約4割(42.7%)で、「順調」(19.9%)の約2倍に上りました。

「エントリー受付数が昨年の7割程度に落ち込んでいる」(メーカー)、「3月の1週目は順調にエントリーが増えていたが、その後は伸び悩んでおり、会社説明会動員数ともに大幅に落ちている」(流通)、「学生が早期から業界や企業を絞り込む傾向があり、思うようにエントリーが増えない」(商社)など、採用現場からの苦しい声も多数寄せられました。

そのような環境の中で、少しでも自社の採用を優位に進めようと、企業が活動を早めているのも今年の特徴です。日程ルールは前年と同じにもかかわらず、面接開始時期を早めた企業は約4割にも上ります。面接開始予定時期は、4月が最も多く(36.3%)、選考解禁月である6月開始(13.0%)を大きく上回っています。すでに半数以上の企業が、面接を開始しているのです。

多くの企業が採用活動の長期化を視野に入れる

しかし、動き出しが早いからといって、採用活動が早く終わるわけではありません。すでに応募してきた学生の面接を進める一方で、さらにエントリー者を集めるための採用広報活動にも引き続き注力している企業が多いのが実態でしょう。

すでに約半数の企業が、これから、合同企業説明会や学内セミナーへの出展、就職サイトへの情報掲載、学校訪問などを通じた追加母集団(エントリー者)の形成を予定しています。

内訳をみると、「6月より前の施策を検討」が約3割(28.9%)、「6月以降の施策を検討」も2割(20.0%)に上ります。6月の選考解禁後、大手企業を中心に一気に内定出しが進むことが予想されます。

納得のいく企業から内定を得ていない学生が、仕切り直して動く時期に狙いを定めているようです。現時点で、すでに長期戦を覚悟している企業が多いといえるでしょう。

内定者辞退の補充は困難、入社までのフォローは必須

加えて内定者フォローの重要度はますます高まっているといえます。母集団形成での苦労を考えると、内定者に辞退されると、その後の補充は容易ではありません。辞退者を防ぐこと、入社までの意識を高めることは、近年の売り手市場の戦線においては、非常に重要な意味をもっているといえます。

特に今年はよりインターンシップに注目が集まっていることを考えるとスムーズに19卒向け施策に移行するためには、辞退者を出さないことが重要です。買い手市場だった就職氷河期の採用では、良い人材を集め、選ぶことが最も重視されていたが、売り手市場となった現在は、募集活動、選抜だけでなく、動機付けていかに入社まで導くかが、採用の中核プロセスになってきているといえます。

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