経営者JP
井上 和幸 代表取締役社長・CEO
【PROFILE】早稲田大学卒業後、リクルート入社。人材開発部等を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。リクルートエグゼクティブエージェントにてマネージングディレクターを歴任後、2010年に経営者JPを設立。著書に『ずるいマネジメント』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『係長・主任のルール』(明日香出版社)等がある。取材・コメント・出演実績として、「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「週刊東洋経済」「プレジデント」その他業界誌等多数。
皆様は日々、社員や採用応募者の人材評価に取り組まれていると思いますが、どのような見立てで人を見ているでしょうか。私自身も人事として、また事業責任者や経営陣として、現在は経営層・リーダー層に特化した人材コンサルティング/エグゼクティブサーチの会社を経営しており、そうした観点から多くの方々の人材価値を評価してきました。
この経験から私が至った結論は「上位2割」(できる集団)と「中位6割」(普通の集団)の人たちが持っているポテンシャルにはほとんど差がないということです。しかし、その間に“あと一歩”がもたらす大きな差が存在しているのもまた、事実です。
ポテンシャルにはさほど差がないのに、結果、仕事ができる人・できない人には大きな差がある。それは、物事を「どう考えるか」の差であり、「どう行動するか」の差です。これが大いなる「結果の差」をもたらしています。そして、求められる人には、この考え方・行動に共通点がある。
本書では、基盤となる原則を明らかにし、日々の行動や考え方についての「求められる人」「捨てられる人」の共通項を紹介しています。
人材力を養う原理原則としては、「人は習慣の生き物である〜良い習慣を獲得する力を持っているか」「一事が万事~それはそれ、これはこれということはない」「学び続ける力」などが重要です。
「目的を明確にし、そのためにやるべきことをやっているか」、自分の行動をみたとき、その仕事で自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、そこからズレた行動をしていないかどうか。
漠然と「できるビジネスマンの間では、こういうのが流行っているから」という理由だけで動いていないか。そのズレを修正できれば、「求められる人」でい続けることができるでしょう。
人事の皆様にもぜひ、社員の“勘違い”を軌道修正し、5年後も求められる人材を社内に増やしていただければと願っています。
井上和幸 著
遊タイム出版、1333円+税