経済産業省が公表した「外資系企業動向調査」によると、日本の外資系企業の2019年3月末の集計企業数は3287社で、前年度比0.6%増となったことが明らかとなった。母国籍別にみると、欧州系企業は43.2%(前年度比0.1%増)、アジア系企業は27.4%(前年度同)、米国系企業は23. 1%(前年度同)となり、ここ数年構成比には大きな変化はない。(文:日本人材ニュース編集部)
2018年度中の解散・撤退・外資比率低下の企業数は84社で、製造業が12社、非製造業が67社となった。業種別に見ると、「卸売業」が30社と最も多く、次いで「サービス業」が12社となった。
常時従業員数は、前年・当年とも回答のあった企業間の比較では前年度比で1.8%増加した。内訳をみると、製造業が前年度比0.9%減、非製造業が同3.5%増となった。
業種別にみると、製造業で常時従業者数が最も多い「輸送機械」が0.6%増となり、非製造業で常時従業者数が最も多い「サービス業」が2.8%増となった。
売上高は、前年・当年とも回答のあった企業間での比較では前年度比6.4%増加した。そのうち、製造業が3.7%減、非製造業が同13.3%増となった。業種別にみると、製造業では「輸送機械」が同0.4%減、非製造業では「卸売業」が同11.3%増となった。
日本で事業展開する上でのビジネス環境の魅力は、前年調査に引き続き「所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい」が最多で62.4%に上った。 次いで「インフラ(交通、エネルギー、情報通信等)が充実している」(46.7%)、「製品・サービスの付加価値や流行に敏感であり、新製品・新サービスに対する競争力が検証できる」(46.0%)が続いた。
日本で事業展開する上での阻害要因は、「ビジネスコストの高さ」が例年通り最多の回答(71.9%)を得ているものの、回答割合は年々減少傾向にある。一方、次点となった「人材確保の難しさ」の回答割合(57.6%)が、年々増加傾向にある。
日本のビジネス(事業活動)コストにおける阻害要因は、前年調査に引き続き、「人件費」と回答した企業が71.9%と最も多く、前年調査と比べ1.7%増加した。次いで「税負担」(56.0%)、「事務所賃料」(46.6%)となった。
外資系企業における今後1年間の雇用見通しについて、「現状を維持する」と回答した企業が60 .6%で最も多く、「増員する」と回答した企業が36.3%、「減員する」とした企業は3.1%となった。